６ ページ6
・
・
・
運ばれた病院の名前がわかると、３人はタクシーに
飛び乗った。
集まっている報道陣を掻い潜り、院内へ入る。
中に入ると中村が待っていた。
すぐに３人を個室へと連れて行く。
中村に会った瞬間、３人は分かった。
真っ赤な目。合わせない視線。
扉の前でひとつ大きく深呼吸すると、病室の扉を
開ける。
ベットの上には大野。
顔には白い布が掛けられている。
その傍らにはご両親がいた。
３人が近づく。
「おおちゃん……。」
相葉が懐かしい呼び名で呼んだ。
２人は無言で唇を噛み締めた。
「来てくれて、ありがとね。」
大野の母が言い、力なく微笑む。
「朝までついててもらってもいい？」
そう言って席を外し、お別れの時間を３人に
与えてくれた。
大野の手を松本が握る。
冷たい手がこの状況が現実だと松本に告げていた。
松本の携帯がなった。
慌てて見ると、櫻井。
病院の場所を聞いていた。
誰？というように松本を見る二宮と相葉に
「翔さんから。病院の場所、伝えるね。」
と告げ、メッセージを送る。
すぐに櫻井から返信が来た。
「３０分で着くって。」
その言葉に相葉が微笑んだ。
「ね、大野さん。何やってんだか……ね？
仕事してりゃ、こんな目に合わなかったのに。
釣り、そんなに行きたかったの？
ね？楽しかった？」
二宮がそう言いながら大野の頬を撫でた。
「楽しかったなら、いいね。」
相葉がそう言って近づく。
「ん？え？」
近づいた途端、そう言って飛び退いた。
腕で鼻をガードしている。
「雅紀？どした？」
松本が聞いた。
「おおちゃんスッゴい海の匂いがするっ！！」
「あぁ。あなた鼻が犬だもんね。」
「うん。でも、それだけじゃないの！！
ナマモノの匂い！！」
「ナマモノってお前……」
これには松本が呆れた。
「うぅ〜ごめん、これ以上近づけないぃ〜」
そう言う相葉に二宮が
「だったら鼻つまんどけや！」
と怒鳴った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 23人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：sayanちゃん | 作成日時：2015年10月28日 12時
