ハロウィンの夜に☆３ (ページ29)

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カラン……。

ドアを抜けて店内に入る櫻井の後を、二宮が
続いた。

「いらっしゃい。」

奥から女性の声がする。
櫻井はその声の方へとどんどん入っていった。

一方二宮は、店内を観察中。

いろいろなパワーストーンや、羽、革ひもなどが
ならび、小さな香水瓶や、香炉、お香などが置いてある。

立ち込めるお香と香水の臭いにうさんくささを
二宮は感じていた。

“いかにも”って感じですね……。

そんな風に思いながら、櫻井を待つ。
すると、比較的すぐに櫻井が戻ってきた。
手には紙袋。何か購入したようだ。

「ありがと、Mrs.パープル。」

「どういたしまして。
　あら、もう一人、一緒に来てたのね。
　あなたの気が大き過ぎて見えなかったわ！」

奥から出てきた女性は上品そうな白髪の老婦人だった。
紫のワンピースが特徴的。

「おや、ま。こりゃ大変だ！！」

そう言うとバタバタと店の奥へ駆けていく。
自分の顔を見るなり走り出したその姿に、二宮は
一人不安になっていた。

「和？大丈夫だよ。Mrs.パープルは幸せに導く
　魔女だから。」

櫻井の言葉に二宮の体に入っていた力がすこうし
抜けたきがした。

「はい、これ。」

Mrs.パープルが差し出したのは一つのお守り袋。

「２４時間つけておきなさい。
　困った事があったら、袋をあけるのよ。」

お守り袋には狼の絵が刺繍されていた。