ハロウィンの夜に☆３ (ページ26)

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「すんげぇ高かった……。」

相葉の車に乗り込むなり、大野はそうこぼした。
ミセスパープル曰く、あの青い石が高いらしい。

「高級車１台分……。」

ハンドルを握る相葉も固まった顔で呟いた。
その胸にはさっきのペンダントがしっかり揺れている。

「オイラ、当分なんも買わない。」

「うん。俺も……。」

「え？相葉ちゃんはなんで？いいじゃん。
　買いなよ。」

「なんか、おおちゃんの買うの見ただけで
　お腹一杯。」

「そっか……」

「うん。当分あんまり買わないようにする。
　俺もいつかあそこで同じくらいの買い物、
　しなくちゃいけない気がするんだもん。」

その言葉にはさすがに大野も何も言えなかった。
大野も同じ気持ちを持っていいたのだ。

あそこはたぶん俺たちの行きつけの店になるはず。

ミセスパープル。

彼女は恐らくおっそろしく長生きしている魔女だ。
白魔女という部類の魔女。

未来を読み、病を退ける。

彼女の気は七色に輝き、８つの方向へ走る
黒い線が、彼女が魔女であることを教えて
くれていた。

大野は手に持ったマジカルショップみらくるの
連絡先を書いた名刺を見つめて、唇を尖らせる。

翔くんは、いつの間にあの店に行き着いたの
だろう？

あそこはある種の結界がされていて、本当に
必要な時だけ見つけられる、そんな場所だった。

翔くん、悩みとか、あったんじゃないだろうか？