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実家に帰った大野は涙を流して喜ぶ両親に
迎えられた。
その姿に本の少し戸惑い照れる。
すぐにベットへ連れていかれ、大丈夫だと
言っても信じて貰えなくて若干困った。
夜にはお粥を手に部屋を訪ねた母親に、
「いや、俺もう普通に食えるし、足りねえよ。」
と不満をぶつけると、起き上がり台所へ向かう。
「あ、味噌汁あんじゃん。
母ちゃん、卵焼いてくれよぅ。もう腹へって
腹へって……。」
そう言ってお腹をさする。
その姿に母はまた涙した。
「ちょ……かあちゃん……んな泣くなって……」
あまりに泣く母親に父親の方を見ると、
そっちもそっちで泣いていた。
だめだこりゃ。
大野は櫻井に連絡。
「あ。翔ちゃん？オイラ、マンションに帰っちゃ
だめぇ？父ちゃんと母ちゃんが泣いちゃって
大変なんだよ。飯もお粥だし。腹減った。
呑みに行こうよぉ〜」
『もぉ〜、智くぅ〜ん。一週間だよ？一週間。
ずっと智くんに会えなくてご両親心配してたん
だからさぁ、せめて２〜３日くらい我慢してよぉ〜』
櫻井の言葉にそれもそうだと思い直し、母の方を
向いた。
「かあちゃん。飯。」
その言葉に弾かれたように母は台所で大野の夕飯を
作り始めた。
大野も両親へ心配かけてしまったことは良く
分かっていた。
でもやっぱり自分は今、寝ていないといけない程
体調が悪い訳じゃないので、居心地が悪かった
だけなのだ。
ご飯の間もずっと見つめられて、大野はそっと
小さくため息をこぼした。
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作者名：sayanちゃん | 作成日時：2015年10月28日 12時
