ハロウィンの夜に☆３ (ページ20)

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湖面に上がると、あんぐりと口を開けて見上げる
相葉と、優しくほほ笑む櫻井がいた。

竜神の息子になった大野には、二人の放つエネルギーの
色が見えた。
人がオーラと呼ぶものだ。

翔ちゃんはやっぱ赤なんだ……。

真っ赤というよりは少しオレンジに近い赤。
それがキラキラとした粒子をまとって四方へ広がる。
青色も線上に広がり、櫻井の冷静さと心配性が垣間見えた。
だが一番強いのはやっぱり赤。

相葉は反対に緑も見えるが、一番大きいのは黄色だった。
櫻井より少し小さいエネルギーながら、やはり強烈で、
背中に銀色の大きなオオカミを浮かび上がらせている。
あれが相葉が変身した時の姿なのだろう。

「智くん……。」

櫻井が大野の名を呼ぶ。
その声がくすぐったい。久しぶりの櫻井の
“智くん”大野は思わず笑った。

「ふふ。翔くん、相葉ちゃん。」

竜神が頭を下げると、大野が湖面に飛び降りた。

「え！？」

湖面を歩く大野の姿に相葉が驚く。
大野は水面を滑るように進み、二人の居る岸辺に
降り立った。

「ふふふふふ。ただいま。」

「おかえり。」

大野の声に櫻井が優しくほほ笑みながら言う。

「お、おかえり！！」

相葉が慌てて言った。
3人で笑いあった。

その姿を白龍がほほ笑みながら見つめている。

卵の間、大野の人生を見た白龍。
大野が“嵐”というグループをどれだけ大事にし、
そのメンバーをどれだけ信頼しているかが分かった。

なかなか良い人間だ。
少々危機管理能力に欠けるが、そのあたりは
翔と雅紀に任せよう。

白龍公は櫻井と相葉に息子を頼むとお願いした。
快く引き受けてくれた二人の笑顔に安堵すると、
ゆっくりとその身を湖に沈め、大野の気を奪った
セイレーンを探しに向かった。