ハロウィンの夜に☆３ (ページ19)

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『ね、誰？』

『お前の父だ。名を白龍と申す。』

『白龍……それが父ちゃんの名前……。』

『そうだ。もう少し寝なさい。次、目覚めた時には
　全てがわかる。その時になったら、友が迎えに来る
　であろう。』

『マジで？じゃぁ寝なきゃ！』

そうして大野は再び目を閉じ、眠りの中へ。

次に目覚めた時、白龍の言っていた通り、竜の知識が
脳の中に増えていた。

『おはよう。』

『おはよう父ちゃん。』

『もうそろそろ、翔が来る頃だ。』

『んふふふふ。楽しみだなぁ。翔ちゃんに会うの
　久しぶり～』

『そうか。智、翔に感謝しろ。
　翔がいなければお前はここにいない。今ごろ黄泉の世界に
　いただろう。翔がサラと結ばれていなければ、お前を
　助ける知識もなく、ここへ連れて来ることもなかった。』

『うん。俺、翔ちゃんにいっぱい感謝する。』

『雅紀はお前をおぶってここまで来た。潤は車を運転し、
　和也は帰る場所を確保した。』

『俺、みんなに助けられたんだね。』

『そうだ。すべての者に感謝するのだ。お前の力に
　なってやれる事は何でもしてあげなさい。
　そして困ったなら仲間を頼りなさい。』

『ん。わかったよ。とうちゃん。』

……ぱーん……ぱー……ん……

『翔が来たようだ』

『翔くんすごい声だね。気持ちいい声。
　さすが俺等竜の気持ちいい音、わかってる。』

『あぁ。そうだな。
　ではそろそろ行こうか？息子よ。』

光の膜が弾けるように周囲がきらきらと輝くと、
目の前が拓け、白い竜の姿が見えた。

『父ちゃん……』

大野は柔らかい笑顔を浮かべると父の背に跨がった。