ハロウィンの夜に (ページ33)

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彼女の名前は前橋マリア。

お父さんが日本人。
お母さん譲りだというその目は二宮みたいに
色素がうすい茶色。

彼女はタロットカードを取り出すと、
それを相葉に、聞きたいことを思い浮かべながら
きるようにと言った。

切ったカードを並べ占い始める。

「狼が関係していることは水晶でわかったの
　ですが、詳しいことはタロットカードじゃないと
　分かりにくいんです。」

そう言ってから、占いの結果を話始めた。

「相葉さんは今変化の時。
　そうですね……その変化について悩んでいますね。
　ちょっと待ってください！
　運命の輪です。
　運命に導かれて、もっと大きな変化が来ます。
　そう、ご自身の根底を揺るがすような、
　そんな変化です。
　でも、仲間を示すカードがでてます。
　んー。あなたも、あなたの仲間も変化が
　訪れる？」

当たってるような当たってないような、
とっても変な感じ。と相葉は思う。

「ちょっと……狼、狼、伝説……。」

その時、彼女の携帯がなった。
　

「おばぁちゃん？！」

そう言って慌てて電話をとる。
外国語で話していて、相葉には内容までは分から
ないが、彼女がびっくりしているのはわかった。

一方、マリアはひどくびっくりしていた。

祖母は電話にでるなり

『今そこに、来ている男性を助けてあげなさい。』

そう言ったのだ。

『彼は、今変化の途中にいるウルフマンよ。
　いい？マリア、貴女は彼を導き守ってあげなさい。
　しなければいけない事はその都度、私が指導するわ。
　おばあちゃんはね？そういうウルフマンの手助けを
　する魔女なの。』

マリアは驚いて声も出ない。

『いい？これからおばあちゃんが教えることを、
　お前もようく覚えておきなさい。
　日本でウルフマンを助けられるのはお前だけ。
　まず、必要なのは薬と香水よ。
　ウルフマンが検診に行く前にその薬を飲んで
　もらうの。そうする事で正体が隠せるわ。』

マリアは一通り祖母の話を聞くと、相葉に向き
なおった。