ハロウィンの夜に (ページ31)

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世間の偏見。
定期検査。
提案されないロケ。
相変わらず聞こえる犬の声。

犬の心が解る女性、そのVTRを
見ていて、ぶるっと体が震えた。

隣にいた園長が、

「雅紀、大丈夫か？」

と声をかけてくれる。
俺はそれに

「大丈夫です。」

と答え、再びVTRに集中した。

俺、やっぱり犬の言葉が解るんだ。

そう確信した瞬間だった。

俺に聞こえる声の内容と、彼女が話す
内容が一致していた。

飼い主との思い出も、何もかも……。

だとしたら、あの夢は真実を語っていた
事になる。

入院する前、VS嵐の収録時、やたらコロコロ
ばいきんぐでテンションが上がったのも、俺が
狼化して来ていたって事なんだ……。

やたらお腹が空くのも、
生肉が食べたくなるのも
全部ぜ～んぶそういう事なのだ。

だとしたら、検診でされている血液検査。
あれは大丈夫なんだろうか？

人間ではない血。

そう言われたらどうすればいいのだろう？

『こまった事があったら魔女をさがしてね』

そう言っていたのを思い出す。

魔女を探す。

ってどうやればいいの！？

とにかく俺はインターネットで魔女を
検索すること、それから狼男につて
調べてみることにした。

この事が、のちのち、翔ちゃんを助ける
事になるなんて、この時はまだ、思いも
していなかった。