ハロウィンの夜に (ページ26)

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19時過ぎ、バタバタと廊下を走る音が聞こえた。
相葉の耳には、二宮の自分を呼ぶ呟きまで
しっかり聞こえ、テレビを見ていた頬を緩ませる。
その顔を見て、松本が

「雅紀？」

と不思議そうに声を掛けた。

「ニノが来た。」

にっこり笑顔でそう言う。
二人で扉の方を見たのと同時にその扉が
開いた。
そこには息を切らした二宮の姿。

「まー。」

「うん。」

「まー。」

「うん。」

「まー。」

「うん。ニノちゃん、いらっしゃい。」

「おっ前、ふざけんなや！！」

「ぐふふふふ(笑)心配かけてごめん。」

「もう！ほんっとお前、バカ……バカ雅紀……。」

帽子をグッと握るように頭を抱え俯く。

「和、んなとこ、突っ立ってないで、
　入ってこいよ。」

松本の声にとぼとぼと中へ入り、ベット脇の
パイプ椅子へストンと座るが、顔を上げる
気配はない。
震える肩。
やはり元気にベットに座る相葉を見た二宮も
涙を抑えられなかった。

「で？どうなのよ、体調は。」

さも今まで泣いてなんかいませんでした、と
いうように、二宮が問いかける。
顔を上げた二宮の目は赤く、一目瞭然なのに
ごまかそうとするような二宮に思わず松本と
相葉はにやにや笑いが止まらない。

「何！」

「「ベッツに～？」」

「くっ……そ。だったら笑うなや！
　あ～も～！！」

赤くなった二宮をからかう松本と相葉、
にぎやかな声が病室に響いた。