ハロウィンの夜に (ページ13)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:44,120 hit

１３ページ13

・
・
・

予約日、当日。
宣言どおり、ニノは診察室の前で待っていて
くれている。

「相葉さん、入院、してください。」

「え？」

「狂犬病に感染しています。」

「え？そ、そんな！！！」

狂犬病？狂犬病って、もう日本にはないはずだよね？

「ただ、相葉さんの感染しているウイルスが特殊で、
　非常に珍しいタイプのDNAが検出されました。」

「どういう事ですか？」

「ウイルスはタイプ別に分類されるのですが、
　相葉さんが感染しているウイルスは亜種で、
　感染能力が極めて低く、そのため、相葉さんが
　感染した経緯がいまいちはっきりしないのです。」

「え？」

「狼とキスしたくらいでは感染しない。という事です」

「それじゃ……。」

「いつ、どこで感染したのか？
　相葉さんが感染したと思われる狼を調べました。
　その結果、面白い事がわかりました。
　その狼はウイルスに対する耐性を持っていたんです。
　つまり、相葉さんはその狼に助けられた事になります。」

「え？」

「相葉さんは、その狼の唾液のお陰で今、生きているんです。」

俺はあまりの事に頭が働かなかった。

「す、すいません。ニノを、外にいるんで
　呼んでください。お願いします。」

すぐニノを呼んでもらい一緒に話を聞いてもらう。
俺じゃ、皆に説明できない。

先生はニノにも俺と同じ話をしてくれた。