40 勇気を出して… ページ41
人が多くて迷いそうになったけど、何とかそこにたどり着くことが出来た。そこには、スマホを持っている真田くんがいた。
『さ、真田くん…!』
「A?なぜここに。」
『私が電話していい?』
私はつい、少し強めに言ってしまった。
だって幸村くんと喧嘩したままだったら…私のせいで立海が負けちゃうかもしれないし…。
それよりも、なんかよく分からないけど言葉に出来ないような気持ちもあった。
「…たのむ。」
真田くんは私にスマホを渡してくれた。
その画面はちょうど幸村くんに電話をかける直前の画面だった。
『じゃあ、かけるね。』
少し勢いに任せたような押し方でタップして幸村くんに電話をかけた。
…
「もしもし真田。…県大会の話だろう?」
『幸村くん。私だよ、恵美A。』
勇気を出して声を出した。きっと大丈夫、幸村くんなら、許してくれる。
そのことだけ考えた。
「A…」
『ごめんね。私、幸村くんのこと1ミリも分かってなかった。…でも、勝ちたいって気持ちは分かってるから。許して欲しいな。』
「…謝るのは俺の方だよ。」
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作者名:みなみな美奈紀 | 作成日時:2023年8月15日 13時