2 保険室 ページ3
『失礼しま〜す…って、先生いないね。勝手に使っちゃおっか。』
保険室には誰もいなかった。
申し訳ないけど、勝手に使わせてもらおう。
『消毒するね。』
「はい。」
『…よし、あとは絆創膏貼るね。』
絆創膏を慎重に貼っていった。
これで大丈夫かな?
すると、彼はいきなり立ち上がった。
「…先輩。俺、先輩の事が好きです!俺と、付き合ってくれませんか?」
『え、えっと。その、私…』
「2人とも!戻ってくるのが遅いぞ!もう閉門時間になるぞ!」
返事に困っていると、真田くんが助けてくれた…のかな?
真田弦一郎くんは、テニス部の副部長。部長は…入院してるから、今のところ真田くんが1番上の立場みたいな感じになってる。
って、ほんとだ!時間やばい!
『い、急ごう!』
「A!廊下を走るな!」
ーーーーーーーーーー
閉門時間ギリギリでなんとか門の外に出た。
「せ、先輩…さようなら。」
『うん、さようなら〜』
彼が見えなくなってきた頃に、真田くんが喋り始めた。
「たるんどるぞA。」
『…もしかして、見られちゃった?』
「まったく。全員平等に優しくしては、毎日のようにこのような事が起こってしまうぞ。」
『真田くんはわかるでしょ?昔から私ってこんな感じだったよね。』
「ま、まあそうだが…とにかく、今日はもう遅いし送っていく。」
『いいの?ありがとう。』
私たちは、一緒に帰ることになった。
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作者名:みなみな美奈紀 | 作成日時:2023年8月15日 13時