机の引き出し ページ27
kei side
目が覚めればベッドの中。
さっきまでの夢は鮮明に覚えている。こんなに鮮明に夢を覚えてたのいつぶりだろう。
もう、辺りは暗くなっていて、俺は真っ先に自分の机の引き出しを開けた。
物を詰め込みすぎた俺の引き出しを開けるのは実に3年振りくらいで、なかなか開かなくなっていた。
伊「んーっ！！」
力いっぱい引っ張るとメキメキｯという音がした後に引き出しが開いた。
そして入っていた物を全て出して机の奥に手を伸ばした。
伊「……あっ！！」
そうすると指先に冷たい、ひんやりとした感覚が伝わりそれを取り出す。
伊「……っ、あった。」
取り出したのは紛れもなくあのガラスの靴だった。
大嫌いなガラスの靴だった。
でも、今はこのガラスの靴だけが俺と大貴様を結んでくれてるから。
俺はこのガラスの靴を持って走り出した。
本能のままに走り出した。
早く、早く伝えたくて、早く会いたくて。
自室をでて、１階まで降りて、その後は王宮の大きくて重い扉を開けた。
そして真っ直ぐに進んだその先に階段がある。
階段の一番上のところまで走れば大貴様の姿が見えた。
伊「大ちゃーん！！」
俺は叫んだ。
大きな声で叫んだ。
そしたら大貴様、びっくりした顔して、階段を一段一段登ってくる。
伊「ねぇ、大ちゃん。置いてかないでよっ独りぼっちにしないでよ」
俺もそれに引かれるように階段を一段一段、降りていく。
そして、すぐ一段下に大貴様が来るようになった時
俺は大貴様に抱きついていた。
伊「……やだよ、大ちゃん……。
俺、独りはやだ……。」
有「……慧？」
伊「俺、やっと思い出したの。これ、大ちゃんがくれたんだよ。」
そう言って、手に持っていたガラスの靴を見せる。
伊「でも帰ってくる途中、この階段から落ちて記憶なくしたんだよ？
だからこんなガラスの靴が大嫌いでね。ずーっと机にしまってた。
でもずっとまってるんだよ。このガラスの靴、俺のことちゃんと思い出してくれるの。
だから、大ちゃん、お願い。思い出して……！」
俺の目に溜まっていた涙が、1粒、
このガラスの靴に落ちて、キラキラと割れた。
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魅那姫(プロフ) - 有明功さん» コメントありがとうございます。時間がある時書いてみますっ！！最後まで読んでいただいてありがとうございます。 (2015年12月24日 12時) (
レス) id: 38110d567e (このIDを非表示/違反報告)
有明功(プロフ) - やまちねのその後？とか、いのありのその後？みたいなのが、見たいです。 (2015年12月24日 11時) (レス) id: 4cc85fdf52 (このIDを非表示/違反報告)
魅那姫(プロフ) - 慧李さん» ありがとうございます。そう言ってもらえると嬉しくてこっちも涙がでてきます。まだまだ初心者ですが頑張りたいと思いますのでこれからも応援よろしくおねがいします！！ (2015年12月16日 20時) (レス) id: 38110d567e (このIDを非表示/違反報告)
慧李 - 初めて読ませていただいたんですが、涙が止まりません！！続きが気になります！更新頑張ってください！！ (2015年12月16日 20時) (レス) id: 021f9b3e9a (このIDを非表示/違反報告)
魅那姫(プロフ) - むににこめさん» そう言っていただけて嬉しいです！これからラストスパートなので最後まで楽しんでいただけると嬉しいです！ (2015年12月14日 17時) (レス) id: 38110d567e (このIDを非表示/違反報告)
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