あの娘になんか ページ15
kei side
いよいよ舞踏会の時間がやってくる。
時計の針は7時45分を指している。
大貴様も王宮の中も準備はばっちり
ただ、ばっちりじゃないのは俺の気持ちだけ。
このまま時が止まって２人きりの世界へ行ければいいのになんて思ったって無理なわけで
時計の針は休もうとなんてしてくれない。
まっとうに仕事をしようとしている。
有「うんめー！」
大貴様の声が聞こえた方へ目を向けると大貴様がオムライスを美味しそうに頬張る姿が目に入った。
こんな子供のような方が結婚されるなんて考えにくいし考えたくもない話だけど今日
その結婚相手がみつかってしまう。
伊「大貴様……」
有「んぅ、なに？」
伊「あ、あの、口元にご飯粒がついていますよ」
不意に大貴様の事を呼んでしまってなんとか誤魔化してみたけど上手く誤魔化せたかな……
有「え、マジ！？ とって！！」
伊「公衆の前では言葉遣い、ちゃんとしてくださいね。『マジ』なんて遣われたら一国の恥ですからね。」
有「分かってる。任せとけって、これでも俺王子だから。」
ご飯粒をとってあげれば柄にもなく王子だからなんて言うもんだから驚いた。
そしてその言葉が妙に胸に突き刺さった。
そして改めて実感した。
大貴様は王子なんだって。
あまりにも近すぎて、近すぎて。
今まで見えなかったのかもしれない。
これがいつもの大貴様だから。でもこれが王子なんだ。
有「あ、やべ、もう8時なっちゃう。
ほら、慧戻るぞ！」
伊「あ、はいっ！」
あぁ、もう時間になってしまう。
2人の時間が消えてしまう。
毒林檎を食べて死んでしまうあの娘になんてなりたくないの。
王子様からのキスで目覚めるなんて絶対心臓に悪いもの。
それにあの娘みたいにマヌケでもない。
ただ、見つけ出してほしいだけ。
本当の俺を
本当の運命を。
･
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魅那姫(プロフ) - 有明功さん» コメントありがとうございます。時間がある時書いてみますっ！！最後まで読んでいただいてありがとうございます。 (2015年12月24日 12時) (
レス) id: 38110d567e (このIDを非表示/違反報告)
有明功(プロフ) - やまちねのその後？とか、いのありのその後？みたいなのが、見たいです。 (2015年12月24日 11時) (レス) id: 4cc85fdf52 (このIDを非表示/違反報告)
魅那姫(プロフ) - 慧李さん» ありがとうございます。そう言ってもらえると嬉しくてこっちも涙がでてきます。まだまだ初心者ですが頑張りたいと思いますのでこれからも応援よろしくおねがいします！！ (2015年12月16日 20時) (レス) id: 38110d567e (このIDを非表示/違反報告)
慧李 - 初めて読ませていただいたんですが、涙が止まりません！！続きが気になります！更新頑張ってください！！ (2015年12月16日 20時) (レス) id: 021f9b3e9a (このIDを非表示/違反報告)
魅那姫(プロフ) - むににこめさん» そう言っていただけて嬉しいです！これからラストスパートなので最後まで楽しんでいただけると嬉しいです！ (2015年12月14日 17時) (レス) id: 38110d567e (このIDを非表示/違反報告)
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