化け物屋

Blood 捌 ページ10

＿冥界＿

貴「帰ってきた」

シュリにいち早く気付いたAは…

貴「上手くいったみたいね…


これは、報酬よ」

紙袋を渡した

シュリ「流石、A」

スキップしながら自室に戻った

柴野「…ありがとうございます。


あの子は、一人になってしまったけど未来まで、奪わずに済みました。

これで、やっと…



‘地獄’に逝けます」


これは、化け物屋に依頼を頼んだ人間の末路

恨みの相手と一緒に堕ちる


決して、天国へは逝けない



貴「…それじゃあ

自分の罪を償ってね」

妹を守る為に自分を犠牲にした姉はとても堂々としていた。



「立派だな…」

不意に低い声が響いた。


貴「忍…


どうかしたの？」


彼は、人間が大嫌いなのでそれを褒めるのはとても珍しかった。


忍「…ああいう奴…

他人の為に自分を犠牲に出来るやつと出会えば俺たちは変われたのかもしれない


と、思ってな」


懐かしむようにそして哀しげに呟いた。

貴「…もう、遅いのよ

私達がどんなに願ってもあっちは私たちを消そうとする。

そして、幻だと言い伝える

だから、下界には住めなくなったのよ」

悔しそうに唇を噛む

かつては、人間達と共に暮らしてきた彼等…

しかし、時が経つにつれて、自分達と異なる姿、能力などに恐れをなし

下界から、追放というかたちで追い出した。

何故、人間なんかに追い出さなければならないのか？


彼等は、疑問と怒りと苦しみに悩まされた。


そんな苦悩のなか

一つの提案があった。


【冥界で働いて、苦しむ死人を助け…

下界で思う存分暴れればいいんじゃないのか？】


この、提案が今の化け物屋の姿であった。


「…二人とも？

何してるんだ？

依頼が来てるぞ」

眠そうな水蓮が呼びに来た。

貴「今いく」

忍「…」

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