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ビタースイートな恋を貴女と【白澤さま】 ページ5

ーーーさっきから
Aちゃんは、僕の心をこんなにも

かき乱している


僕はそれに対してどういうつもりなのか
聞くような男じゃないし


でもだからと言って、こんなになってる君を
自分の想いにまかせて無理矢理抱きたくはないから


どうしていいか分からなくて
…たまらなく




切ないんだ。



「まあ…そいつに、目がなかったんだよ。結局」

『…うん』


「だから、もうそんなに飲むなって♪ね?」

優しく肩を抱いてやると、見上げる目には大粒の涙がたまっている


君が失恋する度に、慰めるのは僕の役目。



『ごめんね、白澤さま…いつもこんな話』

「いいよ、いいよ!Aちゃんが誘ってくれるなら、どこへでも行くし、何でも聞くよ〜!」



それに僕、恋愛経験豊富だしね♪


『…ふふ』


少しおどけて見せると君はやっと笑顔をみせた


(道化だ…)



僕らしくない僕に嫌気がさして
少し沈黙する僕にAちゃんの顔がソッと近づいた



「Aちゃん?」



『…でも…もう、気付いてくれても良いのに…』

「えっ、何…」



ーーーなんのこと?


『…白澤さま…っ』


そう聞き返す前にAちゃんの柔らかな唇は
突然僕の唇をふさいだ


「ん…っ!ん…」



お酒の甘い香りとAちゃんの吐息が一気に
僕の口内へと流れ込むと



切なさはピークをむかえた。




「…やめなよ、自暴自棄はダメだって」

『白澤さま…私…っ』



それでも離れない唇が
僕をもっと、もっと。と、ねだる



そして、身体を離そうとするけれど

僕の一部はこんな時にも、嫌になる程正直で。
君とのキスであっという間に反応する



「んん…っ…は…あ…っや…ばい…っ」

『…ん…っ』


「Aちゃん…」






ーーーもう、ダメだ


道化でもいい

寂しさを紛らすのに僕が必要なら構わない

たとえ誰かの代わりでも構わない



僕はやっぱりAちゃんが好きなんだ


『白澤さま…っ?』


「…っ!ごめ…っ!」





僕の中で何かが音を立てて崩れた



一度は離した君の身体を思い切り引き寄せて
今度はゆっくり唇の感触を楽しむ


「…っ…ふ…」

『はあ…ん…っ…』




次第にあがる息が熱を帯びて
僕はAちゃんの着物に手をかけると一息に捲りあげた



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作者名: | 作者ホームページ:http://id11.fm-p.jp/540/minvovmin/  
作成日時:2014年3月15日 19時

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