私も君もアイドル (ページ7)

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橙side

「カット！それでは今日の撮影は以上です！！お疲れ様でした！！」

スタッフの声で撮影が終わりスタジオから控え室に戻る。

重「なぁー、照史今日のご飯なに？」

『今日はまだ何も決めてへんなぁ。』

小「俺、今日は肉がええなぁ！！」

神「昨日もお肉だったでのんちゃん」

中「じゃあ、今日は魚にするか？」

濱「魚と言っても何にするん？」

藤「塩焼き食べたい」

俺ら7人は一緒の家に住んでるから仕事でもプラベートも一緒って事。
今は今日の夜に何を食べるかで悩み中。
楽しいんだけどみんな個性豊かやからなかなか決まらへんのよ。

『じゃあ、俺が帰りにスーパーでも寄って適当に買ってくるわ。』

神「ありがとう。帰ってきたら作るの手伝うわ。」

重「俺は料理しませーん」

中「お前も手伝えよ！！」

そんな感じでわちゃわちゃしながら帰りの準備をして、俺はスーパーに出かけた。
その日のお値打ち価格の魚を買って他に必要な材料も買って歩いて家に帰っていた。

『なんか、雨降りそうやなぁ』

薄暗い空を見上げてるいるポツっと水滴が降ってきた。
次第に強くなってきて俺はカバンから折りたたみ傘を出してさした。
そして歩いていると少し先に小さな女の子が雨に打たれながらしゃがんでいる。

俺は少し早歩きで近寄って傘を女の子の頭の上にさした。
それに気がついた女の子は俺を不思議そうに見上げている。
その目は何もかも諦めているように真っ暗だった。

『あの、大丈夫ですか？』

明らかに年下やのに敬語を使ってしまって少し恥ずかしかった。

「え？あ、はい。」

女の子はすぐ立ったけどふらついていた。
慌てて支えるとその体はとても熱かった。
このままほっておくとことも出来ないから俺は断り続ける女の子を押し切って家まで送っていった。

家に着いて帰ろうとした時

「あの、お名前を聞いてもいいですか？」

女の子から名前を聞かれた。
アイドルなんやけどまだ知らない子を居るわなって少し苦笑いをしてしまった。

『あー、俺は桐山照史。』

名前を教えると丁寧にお礼を言ってくれてお礼がしたいと言われた。
断ったんやけどそれでは納得してくれないみたいだから、あまりよくないと思うけど家の住所を紙に書いて渡した。

きっとこの子は悪用なんてしないだろうし、そもそも俺らのことなんて知らないだろうから大丈夫やと思ったからだ。

そして俺はメンバーの居る家に帰ろうと歩き出した。