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あなたside

外に出ればまだ夕方のはずなのに暗すぎる空が広がっている。
私は下を向きながら歩いて、帰ってからお父さん、お母さんになんて話そうか考えた。

『せっかく合格出来たのにやっとスタートラインに立てたと思ったのになんで…。』

そう思うと目の前が潤んだ。
ふと、小さい頃よく遊んだ公園を見つけ気づいたらお気に入りのブランコに座っていた。

小さくこいでいるとポタッと何か冷たいものが頭の上に落ちてきた。
見上げるとそれは沢山降ってきた。

『雨だ。今日雨降るなんて言ってなかったのに』

カバンの中に傘なんてなく、そんなことやってるうちにどんどん雨は強くなる。
このままじゃ、また体調崩しちゃう。
でも、なんかどうでもよく思えてきた。

私は濡れたまま歩き出した。
最初は何ともなかったがやっぱりほんの数分で体から悲鳴が聞こえてきた。
濡れて冷たいはずの体は熱く感じ、目の前の景色はぼやけてくる。
それに余計情けなくなってしまった私はその場にしゃがみ込んだ。

『このまま消えてしまいたい…』

そう思い目を閉じた時ふと自分の上だけ雨がやんだ。
ぼやける目を開け上を向くと知らない男性が傘をさしてくれていた。

?「あの、大丈夫ですか?」

『え?あ、はい。』

慌てて立とうとした私はふらついてしまったが、すぐその男性が支えてくれた。

?「大丈夫やないな。 体も熱いし熱あるんちゃう?」

そう言ってその男性の手が自分のおでこに触れた。

『あ、えっと…。』

?「あかん、ホンマに熱いで!家どこなん?送ってくで。」

『いえ!そんな大丈夫ですから。』

?「そんなフラフラで大丈夫なわけあるか(笑)」

『でも、迷惑ですし…』

?「人助けはしなあかんやろ?いいからはよ行こう。」


結局その男性に逆らえず家まで支えてもらいながら帰った。
家に入る前に私は名前だけでも聞いておこうと思った。

『あの、お名前を聞いてもいいですか?』

?「あー、俺は桐山照史。」

『桐山さんありがとうございました。助けて頂いて無事に家に帰ることが出来ました。お礼もしたいので良ければまた会ってくれませんか?』

桐「ええって(笑)ホンマにしんどそうやからはよ休みな。お礼なんていらへんよ。」

『でも、私がそれじゃあ納得できません。』

桐「おもろい子やな(笑)じゃあ、元気になったらここにおいで。」

そう言って桐山さんは1枚の紙をくれた。

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作者名:みららちゃん | 作成日時:2019年9月14日 17時

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