大先輩 ページ2
- Side Takuya.K -
スタッフ「モニタリング、続いてのターゲットはジェシーさん、田中樹さん、紫乃Aさんです」
ジェシーとは共演したことあるし、うるさいくらいに連絡してくるから気づくんじゃないかと思うんだが、問題はそこじゃない。
木「あのさ、いいんだけどさ、絶対気づかれると思うぜ？」
ス「えっと、どなたに？」
木「紫乃だよ、あいつ絶対すぐ気づくと思うわ」
ス「そうなんですか？」
自信満々ですねなんて言われたけど、あいつはスタッフ一人ひとりの顔を見てるし多分覚えてる。
木「まあ頑張りますよ」
そこでようやく3人が位置につく。
ジ「お願いします」
田「お願いしまーす」
『お願い、します』
木「(うわ、紫乃と目合ったわ、絶対気づかれた)」
田「どした？」
『んーん、なんでもない』
木「(セーフ？)」
このとき紫乃の口角が上がっていたことに気づかなかった。
木「ちょっ、ジェシーさんのマイクケーブル」
『ふふ』
木「直して」
田「なに？さっきからニヤニヤして」
『なんでもないってば、近いよ、前向いてください』
木「(あいつら何イチャついてんだよ)」
ニセ特番収録が始まり、ジェシーの話の何が面白かったのか、紫乃がくふくふと笑っている。
ジ「10歳からやってるんで僕は、いろいろ白黒見てきたんで」
『ふふ』
ア「白黒？」
ジ「めくって」
『んふっ』
田「オセロね、あなたは笑いすぎ」
『だって、んふふ』
ジェシーの十八番は玉置浩二だという話になり、一節歌うことに。
ここでマイクを担ぎ3人の前に出た。
田「おいお前、音声さんが本気出してきたぞ」
『んふふ、ほんとだ』
ジ「これは録らないとって」
『ジェシーの美声をね』
田「イスから立ち上がったからね」
木「(おいおい、意外と気付いてないのか？)」
『歌っちゃってよジェシー』
ジ「任せといて〜」
全然気付かない3人にケータイを鳴らしてみることに。
prrrrr. prrrrr. prrrrr.
『へっ？ふふ』
田「だ、大丈夫すか？」
木「あ、すいません」
ジ「もしもし？」
『んは！代わりに出たの？』
ジ「HAHAHA！」
ア「先輩からの電話かもしれない」
ジ「松岡くんじゃない？HEHE」
田「たしかに、ちょうど昼時ですからね」
『んははは！』
木「すいませんした」
これでも気付かないことあるか？あいつらガッツリ見てたよな？
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作者名：みりん | 作成日時：2024年3月20日 16時
