救済を諦めた少女の話【かてきょーヒットマンリボーン！】 (ページ5)

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変化した(？)再従弟ページ5

今日は比較的平和な日だった。わたしは。そう、わたしは(・・・・)。今日は殴られることも蹴られることも水をかけられることもなかったし、雲雀さんに遭遇してもカーディガンの話はされなかった。

　だがしかし、綱吉のほうは全く平和じゃなかった。らしい。らしいというのはわたしがそれを全く見てなくて、クラスメイトが騒いでいたのを聞いただけだからだ。
　一つ目に朝。なぜか綱吉はパンツ一丁で、校門の前で並盛中のアイドルと言われている(らしい)笹川京子に告白したらしい。ちなみに告白を聞いた笹川さんは、悲鳴を上げて校舎に逃げていったらしい。間違いなく悲鳴を上げたのは告白に対してじゃなく、パンツ一丁だったことに対してだと思う。
　次に二つ目、昼休み。朝の件について、たまたま笹川さんと一緒に登校していた二年剣道部主将の持田先輩が激怒し、「京子を泣かせた奴は俺が許さん！」と言って綱吉に剣道で勝負をし勝てたらしい。普段なら真っ先に逃げるであろう綱吉は、今回はなぜかちゃんと来て、最初こそいつも通りのダメツナで逃げ回っていたらしいが、急に体操着を破り捨ててまたまたパンツ一丁で持田先輩に挑んだらしい。その結果、綱吉は持田先輩の髪の毛をすべて引きちぎり、全本取った！と言って勝利を収めたらしい。

　どういう心境の変化なのだろうか。笹川さんへの告白の件にしても、持田先輩との勝負の件にしても、到底普段の常に逃げ腰な綱吉にできるとは思えない。催眠術でもかけられたのだろうか。綱吉は今日、先に帰っているから、家に帰ったら訊いてみよう。いくら考えてもわからないことは、訊いてみるのが早い。

　真実は、もうすぐそこだ。

『ただいま戻りましたー。』

帰宅の挨拶をしながら家に入ると、居間のほうの扉から奈々さんが顔を出した。

「おかえりなさい、ユキちゃん。今ちょうどツーくんの部屋に家庭教師をしてくれる子がいるから、良かったらユキちゃんも挨拶してね。」

『そうなんですか？わかりました。着替えたら行きますね。』

もう来てるんだ、家庭教師の人。朝連絡したばかりなのに、ずいぶんとお早いこと。あ、もしかして、人気ないのかな？あり得るな。まあ、わたしは家庭教師が来てくれるだけでうれしいけれど。だって、こういっては何だけど、正直綱吉に勉強を教えるの、ちょっと飽きてきてたから。

次、行きます！