ミモザの花束を君へ(緑) 3 (ページ25)

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ぎゅっと抱きしめられた身体があったかくて離れたくなかったけど

明日も会えるという約束を胸に階段を下りる

そんな保証どこにも無いのに

見上げると眉尻を下げてふわりと笑う大倉先生

この困ったような笑顔が見れたらそれでいいや

そこからは振り返らずに一気に階段を下りる

また、明日な

その後に告げられた新幹線の時間

少しだけ、早起きだなと思いながら1階につくと

亮「お」

『待っててくれたの』

亮「そうやないと帰られへんやろ。アホちゃう」

ムッとしながらも待っててくれたことに感謝する

亮「なんか、顔が明るい気がする」

『へ‥っ』

亮「聞かへんけどな、俺は。

ヤスかマルに聞いてもらえばー」

『そんな意地悪言わなくても‥！』

亮「‥‥あほ、帰るぞ」

一瞬だけの寂しそうな顔

その表情はすぐに消えて1人でさっさと歩いていく

慌てて追いかけてバイクの後ろにまたがる

ブォンとアクセルをふかせて来た道を戻る

亮の腰に手を回しながらさっきの大倉先生の体温を思い出す

大倉先生の方ががっちりしてたなぁ、とか

やっぱり大倉先生は大人の香りがするなぁ、とか。

亮「お前ここで降りて先学校行っとけ

バイク戻してくるから」

学校から少しだけ離れた公園で降ろされる

わかった、と遅刻なんてレベルではない時間に悠々と学校に向かう

学校についたらヤスと蘭に話して

お昼休みには丸ちゃんに電話でもしよう

みんなにはちゃんと言うって決めた