50束 ページ9
化粧をばっちりして白のワンピースに薄い茶色のサンダルと淡いピンクのショルダーバッグを合わせる
鏡の前でおかしな所がないか確かめる
‥可愛いと言ってくれるだろうか
高鳴る胸を抑えつつ待ち合わせ場所の駅前
人混みの中でもすぐに見つけられるのは慣れだろうか
いつもよりふわっとした髪とサングラスにシンプルな服装
やっぱり素材がいいと違う
向こうはまだ気づいていないみたい
『おはようございます』
大「う、えっ!?あ、Aか‥
全然分からんかったわぁ笑」
私服やと全然イメージ違うから分からへんねん、とさっそく言い訳をかます
私は分かりましたけどね
大「よっしゃーほんなら行こか」
ゆるーいテンションで駅の反対側に歩いていく
長い足で人混みをスイスイ歩かれるとついていけないわけで
モタモタする私を振り返っていたずらっぽく笑う
ふいに恋人さを感じて、さらにドキドキする
大「はい、行くで〜」
伸びてきた左手が私の右手をつかみ誘導する
指の先まで鼓動が届いていそうで自分ばっかりドキドキしているのが恥ずかしい
この、大倉先生の慣れた感じさえも嫌だと思ってしまう自分を惨めに思う
だけど大倉先生はそんなことはお構いなく
大「あ、今日どこ行くと思う？
車で行けるところやで」
1人ではしゃいで楽しそうで
そんな大倉先生を見ていると私も楽しまなきゃ、とテンションが上がる
大「俺な、海行きたいねん」
私、一昨日まで、海にいました
‥‥これは秘密にしておこう
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作者名：桜ンボ | 作成日時：2019年5月26日 16時
