ミモザの花束を君へ(緑) 2 (ページ37)

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78束　安田side ページ37

17歳を迎えた次の日、ほとんど人のない朝早い教室でぼーっと教科書を眺めてたら

大「おったおった

安田、ちょっとええ？」

廊下から手招きされた

この前と同じやん、と準備教室までついていく

安「今日は何の用事なんですか」

大「今日誕生日パーティーらしいやん、お前とあいつの」

誰から聞いたんや、と思ったけど

きっと夏休みの間にAが言ったんやろうと自分の中で結論を出す

大「渡してほしいねんけど」

そういって自分の後ろから取り出したのは

安「はな、たば…っ笑」

大「おい、笑うな」

安「いや、だって、もうちょいなんかあるやろ笑」

大「もうええから笑うな！

…これ、よろしくな。放課後に勝手にとりにきていいから」

安「わかりました…でも、僕がわざと取りにこんかったらどうするん？」

大「…お前はそんなことするやつちゃうって信じてるから」

僕よりも十センチ以上高いところからまっすぐにみつめられると

一回だけ、この人のこと信じてみようかな

そう思わせるから、ずるいと思う

安「はいはい、わかりました」

大「ありがとう」

そうやって無邪気に笑うのがギャップっていうんかな

そのギャップにAは惚れたんやろうな