ミモザの花束を君へ(緑) 2 (ページ33)

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『じゃあね』

安「あれ？バイトやっけ」

『ううん。バイト先の子と遊ぶの』

駅までの道をゆっくり進む

家とは反対方向の道はまだ歩きなれなくて周りの景色を楽しみながら行く

駅にはすでに丸ちゃんがいていつもバイトには私服で来ていたからブレザー姿にどきっとする

丸「あ、早かったな」

『待たせちゃ悪いと思って』

どこ行く、なんて話しながら自然と近くの公園で立ち止まる

2人で空いていたブランコに座って私はゆらゆらと体を揺らす

ギーっと錆びた金属の音がちぎれそうな不安をかき立てる

『丸ちゃん、』

隣で地面を見つめる横顔に気づく

『なんか今日いつもと違うね』

『何かあったなら今度は私が聞くよ？』

丸「‥‥Aちゃん」

不安げな瞳がこちらを向く

丸「前、言うてくれたやん

‥‥僕が、言うことではないかもしれんけど」

『先生のこと？』

丸「うん‥‥

あのな‥‥っ」

そこまで言いかけて止まる

丸「‥‥‥あの人、Aちゃんと付き合ってる時から、僕のとこの花屋に彼女への誕生日プレゼント考えに来ててん‥！」

付き合ってはいなかったけど、と否定する前に

頭が追いつかない

大倉先生が、蘭に‥プレゼント？

でも、蘭の誕生日は‥‥

‥‥そうだよ、2月じゃなかった？

9月は、

私‥‥

『丸ちゃん、それ、ほんと‥』

丸「昨日見たからほんまのこと

‥‥僕、許されへんくて『ちがうの

その、蘭の誕生日は2月で‥‥』

『9月にあるのは、私、なの』

もしかしたら違うかもしれない

別の女の子かも

でも夏休みから考えていてくれたのなら

丸「え‥‥‥」

沈黙が、私たちの間に流れる