ミモザの花束を君へ(緑) 2 (ページ31)

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相変わらず机につっぷしている亮を見てたらぐい、と腕をひかれて、

それは額に汗を滲ませた章大だった

授業が始まるのに

『章大‥っ!?』

安「ええから！授業始まる前に抜けるで‥っ」

そう言ってニカッと笑う章大はどこかのスーパーマンみたいで

ずるずると引っ張られて廊下を走る

『どこ行くの‥‥っ』

安「誰もこーへんところ‥っ」

廊下を走り抜けて階段へ

章大が掴む右腕とは反対側の肩に圧がかかる

亮「なぁ、俺も聞いていいよな」

怒った顔をした亮が低い声でそういう

章大の手に力が入るから、大丈夫だよ、と小声で伝えておく

決めてたから

2人にはちゃんと話すって

章大が、大倉先生から何を聞いたかは分からないけれど

それが関係なくたって言わなきゃいけないことがあるから

『ごめんね。ずっと言えなくて

‥‥でも亮にも言わなくちゃいけないと思ってたから

聞いてくれる？』

亮「‥‥わかった」

3人で、中庭に向かい私を挟むようにして円形のベンチに座った

しばらくの沈黙のあと、私は2人に、全てを打ち明けた

亮「‥‥‥‥っやねんそれ‥‥っ」

話し終えたあと、何も知らなかった亮はすごく不機嫌に見えたけれど

亮「俺のこと、信用してなかったん‥

‥‥何年の仲やと思ってんねん」

おでこをぺちっとされただけで

怒ってはなさそう

ただ、すごく悲しそうで

そんな顔をさせてしまったことを改めて後悔する

章大は、今大倉先生から蘭のことを聞いた、と話してくれた

流しきったと思っていた涙がまた零れそうになるから上を向いて落ちないようにする

こぼれる太陽の光がにじんでいく

亮「おい、我慢すんな」

視界が一気にぼやけていく

頬が濡れて声が漏れる

私が泣き止むまで、章大は頭を撫でて亮は遠くから見守っていてくれた