71束 亮side ページ30
章ちゃんが大倉に呼ばれてなんか変やなぁと思ってたら教室を出ていこうとする章ちゃんの腕を掴んで止めるAの姿
なんやあいつ
そのまま目を離せずにいると章ちゃんが頭を撫でて行ってしまった
振り返ったAと目が合うと反射的に顔を伏せる
大倉がなんの用あるんやろ
てか、やっぱりなんかあるんちゃうん
Aは何を隠してんの
章ちゃんには言えて俺には言えへんことなん
なんやねんそれ
ぐるぐるそれだけが頭を回って顔を伏せ続けていると
『章大‥っ!?』
安「ええから！授業始まる前に抜けるで‥‥っ」
そんな声が聞こえて思わず顔を上げる
見ると今度は章ちゃんがAの腕を引っ張って教室を走り去るところやった
もう授業始まるのに
そう思った時には自分の体も動いてて
少し遠くなった2人の後を追いかけていた
2人で走るより俺の方が早かったみたいで階段を下ろうとする2人を捕まえる
亮「なぁ、俺も聞いていいよな」
強く言いすぎたかな
自分でもびっくりするぐらい低い声が出た
2人は顔を見合わせて章ちゃんはすごく困った顔をしている
Aは章ちゃんに大丈夫だよ、と小声で言ったあと
『ごめんね。ずっと言えなくて
‥‥でも亮にも言わなくちゃいけないと思ってたから
聞いてくれる‥‥？』
俺を見上げて言う
わかった、とつぶやくと
そのまま3人で中庭にでて円形のベンチにAを真ん中にして座る
葉っぱからの木もれ陽がちょうどいい
左をむくとAの顔が照らされている
Aと向き合って話すのは初めてな気がした
＊＊
過去最高40位ありがとうございます！
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作者名：桜ンボ | 作成日時：2019年5月26日 16時
