ミモザの花束を君へ(緑) 2 (ページ14)

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楽しい時間は一瞬で過ぎるらしい

あれだけ楽しみだった今日もすぐに終わってしまう

大「楽しかった？」

運転席から尋ねられる

黙ったまま首を縦に振る

大「…俺も

……また、学校で会えるやろ」

私の頬をぎゅうっとつまみながらいたずらっぽく笑う

『はい…』

大「なぁ、こっち向いてや

なんで下ばっか向くん」

もう、学校が始まるまで会えないと思うとさみしくて。

でも、そんなこと言えるわけなくて

言ったら重いと思われそうだし

大倉先生はサングラスを外した

私の頬にあった手が顎に移動する

そのまま少し持ち上げられて

キスをする

いつかの教室でしたみたいなのじゃなくて

優しい、キス

大「また、連絡してや？待ってるで」

頭をぽん、となでられる

『はい』

手が、離れる

『今日はありがとうございました』

家の近くに車を止めてもらう

助手席側のドアを開けおりる

大「あ！」

『ん…？』

大「Aの誕生日って来月末やんな？」

『そうです』

大「その日はちゃんと予定空けとくねんで？」

その甘いマスクに無駄にドキドキしてしまう

『…はい』

大「じゃ、おやすみ♪」

そのまま、車は走り去ってしまう

好き、

走っていく車に向かってつぶやく

また、学校で。

その言葉を純粋に受け止めていたのに

それなのに

次に会うときは、ねぇ

また関係がおかしくなっているなんて

私はもうあなたのことが理解できなくなるの