76束 ページ35
無理に笑えば笑うほど鼻声になっていく
嬉しいと思う気持ちもありながら
どこかで大倉先生を責める気持ちもある
なんで？って。
私にはそれを確かめる術はないから
すぐに期待してしまう自分をいそいで閉じ込める
丸「ほな、ね
また明日バイトで」
『ばいばい
‥ありがとう、丸ちゃん』
夕日の中を2人、無言で歩いて
会ったところと同じ場所で別れる
駅前にある電光掲示板には今日の日付と、明日の天気が書かれていて
明日も暑そうだなと思うのと
誕生日まであと9日に迫っていることに気づく
今年の誕生日パーティーは、私と章大が2日しか違わないから間の9月12日に章大の家でふたり分まとめてやることになっていた
誕生日パーティーといっても人を呼ぶわけでもなく、章大、私、亮、そして2人が会いたがっている丸ちゃんを誘って4人で行う予定
はやく、はやく時間が過ぎればいいのに
そうすれば、大倉先生の行動の意味が分かるかもしれないのに
朝起きて、学校に行き
週に一回は大倉先生の授業を受けて
ドキドキして、少し期待もして
バイトがある日はバイトに勤しんで
ない日は章大と亮と寄り道して
章大をお誕生日おめでとうと祝った
何も変わらない7日間を過ごす
12日も授業を受け、駅前で丸ちゃんと合流して章大の家に
その道で3人が意気投合しているのを見て安心する
ほら、何も変わることなんか、ない
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作者名：桜ンボ | 作成日時：2019年5月26日 16時
