ミモザの花束を君へ(緑) 2 (ページ11)

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52束亮side ページ11

横「おぉ、来てくれたん」

安「暇やったからなぁ」

亮「俺は別に行きたくなかってんけどこいつが来たから‥」

ついさっきまでベッドでゴロゴロしてたのを章ちゃんに引っ張ってこられた

たぶんこいつは気づいてる

Aと大倉先生のことも、俺の、気持ちも

だからこうして外に連れ出してくれたんやろうけど

亮「それが横山くんの試合ってなぁ‥」

横「おい、文句聞こえたぞ」

亮「横山くんすぐカッコつけたがるねんもん」

横「ええやろ別に

これでも他校の女の子にはモテてるんですぅ」

うわ、めっちゃタコみたいな口になった

きしょ←

安「あ、ほら呼ばれてるで

頑張ってな」

横「お、ありがとうな」

手を振りながらバスケシューズをキュッと鳴らしてコートに入っていった

亮「女の子に、モテてる‥」

安「‥なぁ亮

‥‥気になるんやったら行ってきたらいいのに」

亮「はぁっ!?何もないわ」

2階の応援席に続く階段を上る

4段ほど下で章ちゃんは俺の顔を見上げてる

安「行かんかったらなんも変わらんし、行っても同じことかもしれん

‥‥でも、変わるものもあるやろ」

強い眼差しで俺を見つめる章ちゃんから視線をずらす

亮「‥‥横山くんには、上手いこと言うといてや」

安「もちろん」

頼もしく笑う章ちゃんの肩をたたくと

ぽん、と背中をおされた

安「いいねんで。自分の気持ちに正直で」

人が大勢いる入口のドアを乱暴に空けてどこにいるかわからない人物のために俺は、走った