はなことば

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大倉「大橋〜、美化委員の仕事のことやねんけどな、」

朝、大倉先生に声を掛けられた。
とうとう俺の大嫌いな梅雨の時期に突入したらしく、ここ最近はずっと雨が降っている。

ムシムシするし髪の毛ボワボワになるし、汗は出るし気持ち悪いしとにかく良いことがない。


大倉「梅雨期で水やりの必要がないからしばらくは美化日誌回さんでええって。」

「雨降ってない日とか雑草生えてきたときどうするんですか？」

大倉「担当の先生が梅雨の時期はするって決まりや。まあ梅雨明けまた集会あると思うからまたその時声掛けるわな〜どっちにしろ夏休み明けにはなるやろ。」

「…はーい。」



あの日花壇でじょう先輩に好きな人がおるって知ってからじょう先輩と話せてない。
まず会えてもいない。

美化日誌は古謝先輩が持ってきた週から雨降り出すし、雨降ってるから中庭覗いても先輩達はおらんし、何って俺らも教室で籠もるようになったから会う機会がなくなった。

寂しいなぁっていう気持ち半分と、顔を見たらまた切なくなるからラッキーなんかなって気持ちが半分。



はぁ、とまた一つ溜息を吐く。

大ちゃんと正門は何かを察してるみたいやけど、無理に聞いてこない。



大倉「で、お前ら期末テストあんの分かってんな？もうすぐ夏休み〜！って浮かれてるんちゃうやろな？勉強しとかなその夏休み、学校で過ごすことになんでー。」


はぁーー！テストいらんわー！無理やー！と野次が飛び交う。1番無理なんは俺や。勉強がまじで出来ひん。


大「テストやばいな〜。勉強会開く？」

正「ええで、週末は？」

「ふたりとも、まじで助けてください。」

正「そんなことやろうと思ったわ。」

大「ほな、土日は正門んち集合で！」

正「まーた俺んちかい！」


今はじょう先輩のことは一旦置いて、とりあえずテスト乗り越えるしかない！切り替え大事！そう自分に言い聞かせた。



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