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Side Yuri
プロがコーディネートした衣装一式と共に、慧ちゃんから小さなメモが手渡される。
「今度俺が連絡したら、ここのティーラウンジに行って。それが待ち合わせ場所だから。」
記されていたのは、親戚の結婚式で一度行った事があるだけの老舗ホテル。学生の僕が気軽にお茶に出かけられるランクじゃない。
「待ち合わせって誰と？」
「行けばわかるよ、楽しみにしてな。」
高額な服を買ってもらったせいか妙に緊張してしまい、意味深な笑みを浮かべる慧ちゃんにそれ以上は聞けなかった。それに、待ち合わせ相手はもしかしたら雄也なのではないかという淡い期待も消えなくて…
その三日後、「今日はバイト休んでいいから」と慧ちゃんからかかって来た電話は突然のものだった。月曜日じゃないから、雄也は今頃「noche」で働いているだろう。それなら僕はいったい誰と待ち合わせをするの？
緊張しながら足を踏み入れたホテルは、わかりやすい場所にラウンジがあって助かった。
ただ、待ち合わせた相手の名前も特徴も知らないだけに、どうすればよいのかわからない。
「ユーリ？」
そんな迷子状態の僕にかけられた声に、縋るように振り向く。立っていたのは僕とそんなに変わらないような年齢の、でも高価そうなスーツをきちんと着こなした人だった。
「初めまして、圭人です。」
「けいと…さん？」
「慧から色々聞いてるよ、今日はよろしくね」
「とりあえず座ろう？」とエスコートされ、奥まった席まで案内される。慧ちゃんから色々聞いてるって何？さりげなく腰に回された手に、これからどうなるのかと一気に緊張感が増す。
「…ユーリは紅茶は好き？僕のおすすめをオーダーしておいたんだけど。」
それでも目の前の彼はニコニコと人懐っこくて、不埒な事とはおよそ無縁な爽やかさだった。昔からの友達のように屈託なく「ユーリ」なんて呼ばれると、待ち合わせた意味も忘れてしまいそうになる。
「あの…今日はその…」
思いきって口を開いたら、タイミング悪く紅茶とケーキが運ばれてきた。ホテルメイドの凝ったデコレーションに思わず見惚れてしまう。
「うわぁ…」
「甘いものは好き？ここのケーキは本当に美味しいんだ。ユーリも絶対気に入ると思うよ。」
これじゃまるで高級ホテルにお茶に来ただけじゃないかと思いつつ、夕食前にこの誘惑には抗えない。そんな僕を見ながら、「まずは少し話そう？」と目の前の彼は優しく笑った。
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みもたま(プロフ) - コメントありがとうございます！お店の開店に超豪華なお花を届けて頂いたような恐れ多い心境です。閉店にならないように頑張らねばー！（限られた品しかない、マニアックな店ですが…） (2019年11月8日 23時) (
レス) id: f91d6da0d1 (このIDを非表示/違反報告)
Purple Swallowtail(プロフ) - 移行おめでとうございます！高校時代も含め今のみんながどんな風になっているか楽しみにしてます！大ちゃんも登場(^ ^) (2019年11月8日 18時) (レス) id: 73ae1288ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みもたま | 作成日時：2019年11月8日 18時
