いつでもどこでも ページ6
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個人の仕事が多くなると、必然的にグループ仕事に混ざれないことがある。1月から始まるドラマに向けて翔太や舘さん、康二や照は忙しくなってきたし、他にも情報解禁前の仕事を抱えるメンバーがいる。
久しぶりに9人が集まった雑誌の撮影日、ラウはメンバーの変化に気づいていた。
「照くん、最近ご機嫌だよね」
最近の照はこれ以上ないくらい機嫌がよく、常にニコニコしている。
「そりゃあねえ、大好きなAちゃんとずっと一緒だから」
ドラマの撮影が始まったから仕事で一緒、家に帰ればやっぱり一緒。Aとずっと同じ空間にいられる幸せで照は頬が緩みっぱなしだ。かと言って真面目な時間がないかと言われたらそんなことはない。
2人の役には対立関係があるから、台本でぶつかり合うシーンの内容を読んでいる時は睨めない……、とシュンと肩を落としている。
「なるほど、Aちゃんか」
「お前も見たべ？ あいつらの雑誌」
「見た見た」
冬ドラマの宣伝グラビアがとあるテレビ雑誌に載る。第1弾としてSexyZoneの中島健人が主演で康二が出演するドラマと、例の2人のインタビューやグラビアが掲載されるようで、サンプルの本がSnowManの楽屋のテーブルに置かれていた。
「照があの熱量で語ってんのよ？ 俺が妬けるっつーの」
「ふっかさんが？」
「だって照的に俺は大親友なのよ？ 公の場では夫婦だなんだ認めてるのに、裏ではふっかは奥さんじゃないって真っ向から否定されんの。思ってるより超切ないよ？」
「きゃはははっ！」
雑誌の中で健人に引っ張られて康二がかっこよく写っていた。それは皆で褒め合った。その後照とAのページを開いた時、俺達は何を見せられているのか、とツッコミたくなった。
「雑誌だけでも雰囲気良かったよね」
「良すぎた。俺ウェディングフォト見てんのかと思ったもん」
背中合わせで写る2人は心から信頼し合っている。睨みを利かせる表情もどこか楽しげで、心からのウキウキワクワクを隠しきれていない。極めつけはインタビューだ。照はAとドラマへの熱い熱い思いがそのまま伝わるコメントを残していた。
中学1年生で出会った時のことから今の印象に至るまで、暑苦しいほどの愛が伝わる。勘が鋭いファンには好意や愛情がバレてしまうのではないか、嫉妬されるのではないか、とこっちがヒヤヒヤするくらいだ。
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作者名：あおやなぎ
| 作成日時：2023年11月29日 19時
