傷跡の呪縛(♡) ページ28
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服を着たままだったり下着をずらしただけだったり、その時の気分によってまぐわう姿は変わる。でも俺はお互いに何も着ていない時が1番好きだ。
「Aの肌、スベスベしてて好き」
Aの両足を開き、体を貫くように繋がる。覆いかぶさって肌と肌をくっつけるとより密に体温を感じる。温かくて気持ちいい。
俺の腰に足が、首元には腕が回る。俺がAを求めるようにAに受け入れられ、求められている。裸だとより色濃く感じられるから俺は全て脱がせているし脱いでいる。
『照だけだよ、そうやって言ってくれるの』
「俺以外の誰かに言わせてたら大問題じゃない？」
一旦彼女の腕や足を放す。
『……っ、うんっ』
左胸の真ん中をペロッと舐めればAの目元が少しずつ蕩け始める。
「もしかして嫉妬させようとした？」
『ち、違う……っ』
右胸の真ん中は指で撫でる。弄って刺激を与えると次第に硬くなってきた。普段はハキハキとした声も今はチョコレートのように甘い。むず痒さや快感に抗おうにも溺れる姿がとても愛おしい。
『ひかる……、待って……』
「待てない」
でも俺もAの甘く揺らぐ姿に抗えない。日々募る愛をぶつけるように腰を動かし始める。締め付けと体温に溺れながら、2人の夜は更けていく。余計なことは考えずに俺もAもベッドの深い闇に沈んだ。
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俺達は1回と言わずに2回、3回と続けた。互いに疲労感や小っ恥ずかしさを抱えながら後処理を終え、下着姿のまま毛布に包まる。華奢な背中に抱き着けば温かいね、と笑いかけてくれる。
『さっきさ、肌がスベスベしてるって言ってくれるのは照だけだって言ったでしょ？』
「うん」
『深い意味はないんだよ。言葉が悪かったけど』
せっかく忘れていた嫉妬を思い出す。でも素直になりやすい今だからこそ、Aなりに伝えたいことがあるのは理解できた。
『私ずっと気にしてたから。手術跡が消えないの。誰にも見られたくなかったし、受け入れられるものでもないって思ってた……』
強くてしっかりしていて負けず嫌い。でも“あの時”の怪我は彼女の女性としての尊厳を深く傷つけていた。遠目では目立たなくても近くで見ると分かる。好きだからこそ裸を見られたくない。
「でも違った？」
『全然違った』
Aは俺が思う何十倍も傷跡の呪縛に苦しんでいた。
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作者名：あおやなぎ
| 作成日時：2023年11月29日 19時
