Beautiful Moon 2nd (ページ13)

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ある朝の戯れページ13

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ボディクリームを足に塗った後、短めのモコモコ靴下とレッグウォーマーを重ね履きする。その上でファースリッパを履かなければ寒くて寒くて……

つい2日前まで季節外れの暖かさでもはや暑い、なんて思っていたのに、雨が降って急に秋が深まった。子供の時から寒がりで冷え症な私は急な温度低下に耐えきれない。仕事が午後からだったのをいいことに朝から一気に防寒グッズを準備した。

スリッパを脱ぎ、ベッドに入ると最初はひんやりするものの、毛布と体温が少しずつ馴染む。暖かい……、気持ちいい……
照明を消さぬままうつらうつら眠りかけていると、寝室のドアが開いた。

「ただいまぁ……」

照が小さい声でそーっと入ってきた。

『……おかえり』

「寝てた？」

『9割寝てた』

「邪魔しちゃったね」

照はごめんごめん、と申し訳なさそうにベッドに横になる私に目線を合わせた。

『さきにねる、おやすみ……』

「おやすみ」

ゴロンと寝返りを打ち、壁と向き合う。傍にあった抱き枕を毛布の中に招き入れて抱き寄せる。

「あ、ちょっと……」

照が残念そうに眉を下げたことなんて露知らず、私は深い眠りへ落ちていった。

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今日は朝から仕事だ。でも程々時間が進んでいる頃合いだから少しゆっくりしていられる。……はずなのだけど、起きようとすると長さも太さもある左腕にがっちりホールドされて動けない。

『照ー』

寝返りを打って鼻をちょんちょんと突く。

『起きたーい』

気持ちよさそうな寝顔に不機嫌が混じった。眉間に皺を寄せて唸る姿は怒った犬のようだ。

『……可愛い』

日中にそんなことを言えば俺はもう中1の俺じゃないよ、と絶対に拗ねる。でもすぐ拗ねる所もかまちょで甘えんぼな所も、私を抱き枕にしないと気持ちよく寝れない所だってめちゃくちゃ可愛い。

「かぁいくない……」

舌足らずなワンコは不機嫌そうに目を覚ました。朝が早いだけで強くない。むしろ弱い。色んな媒体で太陽と同じ生活を送っている、なんて意気揚々と言うけれど、起きる時は日差しだけでは起きれないじゃん、とツッコミたくなる。

「おはよ……」

『おはよう』

眠そうに体を寄せて私の肩に顔を埋め、より強く抱き着いた照はとても眠そうだった。

『私仕事。着替えさせて？』

「やだぁ、行かないで……」

『まったく……』

もう少し、甘えさせますか。