Beautiful Moon 2nd (ページ2)

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☆ ページ2

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『ちなみに照さんに連絡は……』

「俺は自分の命が惜しいよ」

それだけで理解できた。

「Aが足捻って怪我したけど年末で忙しいだろうし俺が送っていくって連絡はしたの。そしたら俺は大丈夫だから大急ぎで迎えに行くって」

お前愛されてるじゃん、と彼……聖也はニヤニヤしながらLINEの画像を見せた。確かに聖也の言う通りの返信が送られていた。どこで落ち合うかまで書かれている。

聖也から私が怪我をしたと連絡を受けた時、照のことだから一瞬にして血の気が引いたんだろう。色んなことを考えた結果が大急ぎで迎えに行く、に繋がっている。

「急いで、じゃないんだよ？大急ぎで、来てくれるらしい」

湿布とその上から固定用の粘着シートを貼り、応急処置は完了した。

「じゃ、待ち合わせ場所まで行くか」

痛みはあるけれど我慢できなかったり歩けなかったりするほどではない。これくらいなら病院に罹らなくても安静にすれば1週間で回復するはずだ。しばらくびっこを引いて歩くのは仕方がない。

でもそれは照が許さない。迎えの目的だってこのまま直帰するのではなく、きっと病院に行くためだ。

“痛みに強いのは凄いけど、そのせいで治るべき怪我が治らないのは良くない”

私1人だと病院に行かないのを見抜かれている。待ち合わせ場所は稽古場近くの地下駐車場だった。

「A、と聖也」

「俺おまけなの？」

車の中で待っている、との話だったけれど地下に降りるエレベーターの前に黒に身を包んだ照がいた。

「違う違う！おまけじゃない」

『今のはおまけの言い方だったよ？』

「そうだよな」

裏ボスの言うことは絶対だし、と聖也は悪く笑った。裏ボスじゃない。そんな気持ちを込めて痛めた足で聖也の右足を蹴る。

「ちょっと！何で怪我した方で蹴ってんの！？」

『あはっ！』

分かりやすい動揺に思わず吹き出した。

「大切な足なんだからやめてよ。酷くなったらどうすんの……」

「心配すんな。A、アイシングした後にいつも通り稽古してたから」

その瞬間、身も毛もよだつほどの殺気が照の周りを覆う。危険かも。でも聖也は止まらなかった。

「それマジで言ってる？」

「マジ。だから悪化してるかも」

「はぁ……」

ため息をついた後、照は今度は呆れたように言葉を失った。

「痛みに強いのも考えものだよね、本当」