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ピンポーン
逸る気持ちを抑えつつ、インターホンを押す。そもそも起きてるのかな?
「はーい。」
「あ、伊沢です〜。」
「わぁ、本当に来てくれた。今開けますね。」
起きてはいるようだ。数秒が経って、真っ赤に顔を染めた山本が顔を覗かせた。
「おはよう。来てあげたよ。」
「ふへへ、伊沢さん…。」
なんか会話が成立してないような気がするんだけど、大丈夫かな。とりあえず中に入れてもらって、途中で買ってきたゼリーやらなんやらを冷蔵庫にぶち込んだ。
「熱何度あるの?」
「さんじゅー、くど?」
「はぁ?めっちゃ高いな。病院は?」
「やだ…。」
「やだかぁ嫌なら仕方ないかぁ。」
じゃなくて!山本が幼いんですが??これがいわゆる幼児退行ってやつ?…不謹慎だけど、可愛すぎる。思わず甘やかしてしまいそうだ。
とりあえず寝なきゃ治るものも治らないよな、どうにか寝かさないと、と考えているうちにいつの間にか山本はベッドに移動していた。
「伊沢さん、こっち、来てぇ?」
「え、あ、うん。」
「もっと近く。」
本当にベッドのすぐ側、手を少し伸ばせば山本に届くところまで手招きされた。立っていては話しづらいのでその場に座ってみる。床だから少し痛いけど、山本のためなら。
「そこにいてくださいね…。」
「あぁ、分かったよ。」
…え、寝た?重そうだった瞼を閉じて、聞こえるのは規則的な息。寝るの早ぁ…やっぱり体調悪いんだな。気休めにしかならないけど、冷えピタぐらい貼ってやろうか。
音を立てないように立ち上がり、冷蔵庫から冷えピタを取り出す。前髪を持ち上げて、起こさないようゆっくり冷えピタを貼った。
「ん…。」
「おーおー大丈夫だよ。おやすみ。」
っわ、つい流れで頭を撫でてしまった。ふわふわでさらさらな髪、触り心地良いな…。
「伊沢、さん。」
「あれ、起きちゃった?ごめんごめん。」
「んーん、気持ち良かったので、もっと…。」
それだけ言って山本はまたすぐ目を閉じた。え、頭撫でて欲しいってこと?…しょうがないなぁ。ぽやぽやしてる山本、可愛いし。
手の届く範囲にあったクッションを拝借してその上に座り、山本の頭を撫でた。ずっと、そばにいるからな。
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蘭(プロフ) - tmさんの性同一性障害お願いできますか? (12月30日 20時) (レス) @page37 id: 63a9fa29e6 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - リクなんですけど、言ちゃんの喘息お願いできますか? (11月19日 21時) (レス) @page35 id: 63a9fa29e6 (このIDを非表示/違反報告)
ぷよーこ(プロフ) - 仲良し兄弟mnちゃんとgnちゃんのお話し、可愛くて凄く嬉しいです。ありがとうございます(≧▽≦) (7月15日 16時) (レス) @page4 id: 7d400068d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sunny | 作成日時:2023年7月14日 23時