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はぁ、昨日は最悪やった。いつものことなんやけど薬を飲んでも腰痛は良くならなくて、腰が痛いまま撮影をしたから動きが抑えめになってしまった。撮影が終わった後もそれをなんとなく引きずっていて、気分は落ち込んだまま。挙げ句の果てには伊沢に「須貝さん、今日はもう帰ったら?」と言われる始末。
でも、今日は大丈夫。1番酷いのはいつも1日目やし、2日目は薬飲まんでもいけるはず。少しだけズキズキ痛む下腹部は無視して、俺はオフィスに向かった。
オフィスに着いて数時間。来た時からなんとなく感じていた腹痛がだんだんと酷くなってくる。んー、これは…我慢できない。「ちょっと休憩室行ってきます〜」を装って、パソコンを持ったまま執務室を出た。
誰もいない休憩室の机にパソコンを置いて、ソファに座れば、安心したのか頭がぼーっとしてくる。眠気のようにも感じられて身を任せようとするけど、下腹部の痛みがそれを許してくれない。
っ、ちょっと、マジでダメだこれ。ソファを汚さないようにと起き上がって耐えていたのに、もう無理。ずるずると上半身を横に倒して、ぎゅっと腹を抱えた。
あまりに痛みが酷くて意識が遠のきそうになる。このまま寝てしまえば楽なのに、寝そうになってはまた痛くなって覚醒してしまう。
「須貝さん。…須貝さーん。」
「…ん、聞こえとる。」
いつの間に休憩室に入ってきたのだろうか。河村さんの声がする。1回目の呼びかけはちょうど痛みのピークで、返事できなかった。
「良かった、意識はありますね。いつもより酷そうですけど、薬は飲みましたか?」
「飲んでない…持ってない。」
「あら、そうですか。では僕のものをあげますね。」
俺がダウンしとることを察知しとったんか、薬も水も持参してきたらしい。起き上がれますか、と問われ俺が微妙な笑みを返すと、それらを一旦机に置いて体を起こしてくれた。
「ありがとうな、河村。」
「いえいえ。それ飲んで寝ちゃってください。」
直近でご飯は食べてへんけど、もう何か食べられるような体調やない。今回は許してくれ、俺の胃よ。1錠しかない薬はすぐに飲み終わり、また体を倒す。
「お、ちょうど良いところに。須貝さん、ブランケットかけますね。」
近くにこの間発売したばっかりのブラ’Nケットがあったらしい。あれ結構あったかくて良いんだよな…。
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蘭(プロフ) - tmさんの性同一性障害お願いできますか? (12月30日 20時) (レス) @page37 id: 63a9fa29e6 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - リクなんですけど、言ちゃんの喘息お願いできますか? (11月19日 21時) (レス) @page35 id: 63a9fa29e6 (このIDを非表示/違反報告)
ぷよーこ(プロフ) - 仲良し兄弟mnちゃんとgnちゃんのお話し、可愛くて凄く嬉しいです。ありがとうございます(≧▽≦) (7月15日 16時) (レス) @page4 id: 7d400068d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sunny | 作成日時:2023年7月14日 23時