【QK】ミモザの花言葉 vol.3【短編集】

生理痛 kwmr × sgi ページ44

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須貝side

はぁ…。数日前から予兆はしとったけど、ついに生理がきてしまった。体に必要なことだとは分かっているし、皆くるし、遅れたら余計辛いだけとも理解しとるけど…やっぱり、きてほしくないものはきてほしくない。あー、今日もあと半日、頑張らんとな。手洗い場の前で、気合いを入れ直した。

「昨日はお楽しみで？」

「は？ちげぇよ。生理痛。大体、相手おらんし。」

「あら、そうでしたか。」

腰を摩りながらトイレを出ると、たまたま目の前におった河村さんにそう話しかけられた。そんなこと聞く？第一、真実なら言う訳ないやろ。

そんなことを思いながら、執務室に戻って自分のパソコンを置いている席に着く。薬を飲んでおくべきやろか…。いや、まだ痛くなると決まった訳やないし。よし、気にせず仕事を始めよう、と僅かに残っていたコーヒーを飲み干した。

「あ、須貝さん飲み物いる？」

「入れてくれるん？欲しい〜。」

「今おまかせしか受け付けてないので、それでも良ければ。カップ貰って行くね〜。」

自分の分の飲み物を入れに給湯室に向かおうとしていたのだろう福良さんが、俺の分も入れてくれるらしい。おまかせ、ってのが気になるけど…まぁ、基本なんでも飲めるし。

「お待たせ〜、はい、ココアね。」

「ココア？珍しいなぁ。」

「ん、カフェインは体に良くないからね〜。」

そう言いながら俺のデスクを離れて行った福良さんやけど、自分のカップにはコーヒーが入っているのが見えていた。これはつまり…バレてる。まぁええか。別に支障ないし。

30分ほどパソコンをカタカタしていると、腹の下の方が痛み出した。周りにバレないようにそっと摩ってみるけど、ぎゅう、と締め付けられるような痛みは引くことがなく。はぁ…薬飲むか。

気合を入れて立ち上がり、給水機から水を汲む。カバンの中を探れば、ポーチの中に一つだけ薬が入っていた。毎回一回しか薬飲まないから1回分しか入れてないんだよな、次の時までに補充しておかないと。

ホワイトボードと時計を見てみると、あと1時間後に撮影がある。それまでには効いてくれ、と願いを込めて、仕事を少し楽なものに切り替えた。


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