喘息(HBD!) nb × ini ページ33
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乾side
「げほげほっ、げほっ、ひゅう。」
自分の咳で目が覚めた。やっぱり夜はダメだな…どう頑張っても発作が起きてしまう。
「げほっ、げほげほ、げほ。」
「…んん、乾、大丈夫?」
あ、起こしちゃった。俺のベッドの下に布団を敷いてそこで寝ているこいつはノブ。喘息発作でまともに眠れないと言った俺を心配して数日前から泊まりに来てくれている…ただの、同僚。
「ひゅう、ごめ、だいじょーぶ、げほげほっ、げほっ。」
「体起こすね。吸入の準備するから、ちょっと待ってて。」
ノブが手慣れた手つきで俺の体を持ち上げ、背中にクッションを当てがって、近くのテーブルに置いておいた吸入器を取り上げる。
「げほげほっ、げほっ、ごめん、起こして。っげほげほ。」
「ん?このために泊まってるんだから良いの。よし、吸える?」
呼吸のタイミングを合わせて吸入器を握ると、カチッと音がして薬が出てきた。咽せそうになるのを抑えて、なんとか喉の奥へ届ける。
「げほっ、んんっ。ありがと、ノブ。」
「いえいえ。どういたしまして。」
「…うがいしてくる。寝てて。」
洗面所でうがいをして、乱雑に口を拭った。お風呂場の時計は確か数分ずれていたけど、日付が変わる直前を指している。もうこんな時間だったんだ…。
寝室に戻ると、ノブはスマホをいじっていた。発作のせいで疲れたことだし、2度目のおやすみを言ってベッドに潜る。
…寝れない。微妙に出続ける咳が、それによって覚醒してしまった頭が、眠るのを妨げる。もう、明日なるべく早く仕事行くためにも早く寝たいのに…。
「乾。まだ起きてる?」
「…ん?起きてるけど。」
「良かった。誕生日おめでとう。」
「え、日付変わった?」
「今変わった。1番に言えて良かった。おやすみ。」
「あ、うん、おやすみ…。」
言い逃げかのようにノブは寝てしまった。寝付きがいいのは長所だけど今だけは短所だ。しかも綺麗に寝やがって…この間の寝起きドッキリの動画、俺だけめっちゃ寝相悪くて恥ずかしかったんだからな!?
「…そうか俺、誕生日か。ノブと同い年…か。」
ノブに背を向けて思わず微笑んでいたら、いつの間にか眠れていた。あのセリフがノブに聞かれていたとは知らずに。
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蘭(プロフ) - tmさんの性同一性障害お願いできますか? (12月30日 20時) (レス) @page37 id: 63a9fa29e6 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - リクなんですけど、言ちゃんの喘息お願いできますか? (11月19日 21時) (レス) @page35 id: 63a9fa29e6 (このIDを非表示/違反報告)
ぷよーこ(プロフ) - 仲良し兄弟mnちゃんとgnちゃんのお話し、可愛くて凄く嬉しいです。ありがとうございます(≧▽≦) (7月15日 16時) (レス) @page4 id: 7d400068d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sunny | 作成日時:2023年7月14日 23時