. ページ19
.
乾side
とむが、インナーカラーを青にした。それをオフィスで初めて見た時、何故か心がモヤモヤして。先輩に囲まれてチヤホヤされているのが嫌だ。とむは、俺のものなのに。独り占め、したいのに。
「とむ、ちょっと編集のことで相談あるからこっち来てくれる?」
「はーい!今行きますね。」
とむはパソコンを閉じて、パタパタと小走りで僕のいる会議室に来てくれた。とむが会議室に入ってきた瞬間に椅子から立ち上がり、扉を閉めて鍵もかける。あまり長くはいられないけど…まぁ大丈夫でしょ。
「わ、どうしたんですか。」
「その色、似合ってる。」
「えへへ、そうでしょう?結構気に入ってます。」
「でも、なんか…。」
続きの言葉が出ない。俺の方が歳上なのに、こんなことで嫉妬して。嫌われる?細かい男だと見られるだろうか。いや、それでも伝えたい。彼には、彼だけには。
「皆に注目されてて、ちょっと嫌だった。」
「あはは、ごめんなさい。でも本当に見せたかったのは乾さんですよ。だから連絡もせずオフィスで会おうと思ったんですし。」
…あぁ、俺の恋人はなんて可愛いのだろうか。さっきまで抱いていた感情はどこかに消えた。今はただ、その場に佇む少しだけ俺より背が高い彼を、そっと抱きしめたい。
そして俺はこの時心に決めた。俺も髪を青くしようと。とむは俺のものだと、匂わせてやろうと。
.
176人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蘭(プロフ) - tmさんの性同一性障害お願いできますか? (12月30日 20時) (レス) @page37 id: 63a9fa29e6 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - リクなんですけど、言ちゃんの喘息お願いできますか? (11月19日 21時) (レス) @page35 id: 63a9fa29e6 (このIDを非表示/違反報告)
ぷよーこ(プロフ) - 仲良し兄弟mnちゃんとgnちゃんのお話し、可愛くて凄く嬉しいです。ありがとうございます(≧▽≦) (7月15日 16時) (レス) @page4 id: 7d400068d9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:sunny | 作成日時:2023年7月14日 23時