野菜の日 fkr × kwmr ページ16
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福良side
8月31日は、地獄だ。夏休み最後の日だからではない。そもそも社会人に夏休みなんて無いし、最近は夏休みが明けるのが9月1日ではない地域も多い。
それならなぜ地獄なのかといえば。
「はーい福良夜ご飯だよー。」
「…これだけ?」
「ん?もっと欲しいってこと?」
「や、違くて。」
目の前に広がるのは、河村が作った夜ご飯。…見事に野菜ばかり。
「野菜の日だからね〜。」
「だからってこんなに…。」
「はいはい、文句言ってないで食べるよ。いただきます。」
「…いただきます。」
挨拶だけ言って、箸を持つ。どれなら食べられるだろうか…結局全部一口は食べろと言われてしまうのだけど。
実は今が1番収穫が盛んなかぼちゃを見つけた。これなら食べられる、と一口。
「お、煮物から行きますか。ほら人参と里芋と蓮根も食べなさい。」
「えーだって野菜じゃん…。」
「でもいわゆる野菜の味がする野菜ではないでしょ?濃い目に味付けてるし。」
「…ん、味は、美味しい。」
河村がなるべく小さい具材を取り皿に取ってくれる。うー、食べるしかないか…。
「んー!野菜の味…。」
「なんだよ野菜の味って笑笑もうちょいまともな食レポはないのか?」
だって野菜の味なんだもんしょうがないじゃんね。よく煮込まれてるだけあって食感はいける。ん、いや嘘蓮根は無理だ。こんなんいつまでも噛んでても仕方ない、飲み込んじゃえ。
「お、食べられたじゃん。偉い偉い。」
なんか子供扱いされてるんですけど。残る料理はあと3つ。明らかに緑なサラダと、赤い何かと、切り干し大根?これ河村が食べたかっただけだな。
「この赤いの何?辛い?」
「辛くないよ。まぁまぁ食べてみなって。」
「ええ…何が入ってるかだけ教えてよ。」
「茄子と玉ねぎ、ズッキーニ入れたかったんだけど無かった。パプリカもあるな。」
「パプリカ!?最高に苦手なやつ…。」
「じゃあパプリカはいいから茄子と玉ねぎだけ食べなよ。味染み込んでるから美味しいよ。」
そう言って河村はその赤い何かをパクパク食べる。そう言われましてもこれが何かも分からないのに食べるのは…てか辛くないのに赤いって何!?何の赤??
「…あーもう食べればいいんでしょ!」
河村の視線に根負けして食べる決意を固める。一度で終わるように二つを重ねて…一気に口に運ぶ!
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蘭(プロフ) - tmさんの性同一性障害お願いできますか? (12月30日 20時) (レス) @page37 id: 63a9fa29e6 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - リクなんですけど、言ちゃんの喘息お願いできますか? (11月19日 21時) (レス) @page35 id: 63a9fa29e6 (このIDを非表示/違反報告)
ぷよーこ(プロフ) - 仲良し兄弟mnちゃんとgnちゃんのお話し、可愛くて凄く嬉しいです。ありがとうございます(≧▽≦) (7月15日 16時) (レス) @page4 id: 7d400068d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sunny | 作成日時:2023年7月14日 23時