＊もみくちゃ ページ7
、
｢A！購買行こ〜｣
｢あ、まって愛華｣
あの日以来、私は放課後に体育館に足を運ぶのをやめた。
今週から仮入部期間になり、今まで制服で見学しているだけだった1年生は先輩達に混ざって同じように部活をするようになった。
体育館に入っていく子達を見ているだけでも憎悪に満ちた目で睨みつけてしまいそうなのに、練習に参加している所なんて、見ていられるわけがない。
何より、バレーの事を考えていると｢マネージャーにならないか｣と言う及川さんの言葉を思い出してしまうのが辛かった。
変に関わる方が｢やりたい｣という気持ちを強くしてしまいそうで、ここ3.4日は友達作りに没頭した。
元々陰気な方ではなかったけれど、積極的に絡みに行くほど明るくもなかったから
クラス全員から笑顔で話しかけて貰えるくらいの仲に慣れたのは、努力の賜物だと思う。
クラスでのグループ作り期間に後れをとることもなく、ちゃんと仲の良い友達も出来て、良かった。
｢そー言えばA、部活決めた？｣
｢えっ！？あ、うん……一応。愛華は？｣
｢私はね〜サッカー部のマネージャー！！3年の鈴木先輩がすごいカッコよくてね〜｣
『マネージャー』と言う言葉に、一瞬ドキッとした。
部活なんて全く決めていなかったし、もう帰宅部で良いかな、なんて考えていたからこの話題は避けたかったけど、避けきれなかった。
マネージャー、か……
｢ちょっとA！聞いてる！？｣
｢あ、ごめんごめん。聞いてるよ〜｣
鈴木先輩がカッコイイ、くらいしか聞いてなかったけど、とりあえず笑って返事をする。
｢じゃあ私パン買ってくるから、Aジュースお願い！私カフェオレで！！｣
｢了解。私イチゴジャム｣
｢おけ！｣
小走りで列に並ぶ愛華を少し見送って、購買とはちょっと離れた自販機に向かう。
購買程じゃないけど自販機もなかなかの混みようで、購買より列がきちんとしてない分、背の高い男子生徒や後から来た先輩達が次々と自販機のボタンを押してゆく。
下手したら一生買えないんじゃないかと思うくらいにはもみくちゃにされて、結局誰かにぶつかり尻もちをついて列から飛び出てしまった。
これめちゃくちゃ恥ずかしいやつじゃん……
早く立ち去ってしまいたい気持ちをぐっと抑え、もう一度列に並ぶために起き上がろうとすると、
｢大丈夫？｣
聞き覚えのある声とともに、見覚えのある逞しい腕が私の前に差し出された。
、
終わり
ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←＊マネージャー
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 216人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みこと(プロフ) - すごく面白くて私好みでした！更新待ってます。頑張ってください！！ (2018年10月13日 16時) (
レス) id: 642ec0b721 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みもり | 作者ホームページ：
作成日時：2018年9月17日 22時
