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テゴマスとコヤシゲは、全然違うタイプのシンメだと思う。
俺とシゲは互いの目を見て向き合って、歩幅だって意図的に合わせてきた。置いていかれる恐怖を知っている俺たちだからこそ、そうやっていることが何よりも俺たちのためになったから。
でもテゴマスは、この二人は。
「二人とも、背中合わせだから。きっと迷子になっちゃったんだよ」
「迷子、…」
「そう。迷子」
手越が俺の言葉を反復して噛み砕くのに対して、まっすーは黙って難しい顔をする。
こういう小さなことでさえ正反対な二人は、声質も、性格も、生活リズムも思考も趣味も、全部が正反対で。
そして、だからこそ、信じていたんだ。
「手越さ、例えばまっすーが、「俺はいつか歌えなくなるよ」って言ったらどう思う？」
「、……っやだ、」
例え話だというのに泣きそうになる手越。
まっすーが何泣かせてんだって目で見てきたけど、こればっかりは許して欲しい。
「手越はまっすーと歌いたいでしょ？まっすーだって同じだよ。もちろん俺もシゲも。手越と歌いたいの」
「っでもおれ、歌、下手になっちゃったっ…」
「それもさっきと同じ。手越は俺とシゲの、お世辞にも上手いとは言えない歌をずっと支えてきてくれたでしょ？だから俺たち三人とも、そんな優しい手越のこと見捨てたりしないよ」
それに、下手じゃないしね。全然。ただ歌う時の表情が苦しそうになったってだけで。
きっと、きっかけは本当に小さなことだったんだ。だから誰にもそれはわからないし、そこをすくい上げることは出来ない。
でも手を差し伸べるのは、俺たちにしかできない。
もっと言えば、一緒に歌おうって言ってやるのはまっすーにしかできないから。
「…俺は手越のこと、上手い歌だけだと思ってない」
まっすーの言葉に、手越が耳を傾けるのがわかる。
…あと少し、あと少しだ。
「その裏にある努力とか、気持ちとか。歌うことが楽しいっていう表情とか……全部込みで、初めて手越祐也の歌だろ」
「、俺の歌…」
「お前だけの歌だよ。上手いも下手もない。納得いかないなら俺に言え。練習でもなんでも付き合うから」
ぐしゃり。
手越のふわふわの頭を、まっすーが雑に撫でる。
手越は唇を真一文字に結んで、目を潤ませた。
…あぁ、もう大丈夫だ。
「お前の代わりはいないから、安心しろ」
手越はその言葉に、小さく、けれど確かに頷いた。
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かえで(プロフ) - みみくもさん» コメントありがとうございます！私も2人の涙腺スイッチが交互になってるの大好きです…笑 (2019年3月11日 13時) (
レス) id: 4d5112f6b0 (このIDを非表示/違反報告)
みみくも(プロフ) - テゴマスが同時に泣かないの本当好きです…ありがとうございます…… (2019年3月11日 13時) (レス) id: 073e7ada57 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - ルルさん» お久しぶりです！なかなか頻度は安定しないかと思いますが、よろしくお願いします^^ (2019年2月17日 16時) (レス) id: 4d5112f6b0 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - お久しぶりです！短編集、どんな話が出てくるのか楽しみです！無理せず、更新してくださいね！ (2019年2月11日 9時) (レス) id: 1a033fe3e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かえで | 作成日時：2019年1月26日 15時
