変化の話 ページ20
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祐也と貴久が、昔のような共依存状態に戻った。
貴久のそばについているはずの亮ちゃんが1人で共同スペースにいたから、何かあったのかと問えば、そんな答えが返ってきた。
「、は……？な、んで？」
脳裏に掠めたのは、シゲが入所するよりも以前の2人の、小さな後ろ姿。
いつも同じベッドに座って、休みで祐也がいる日は一日中2人で窓の外を眺めていた。
貴久に至っては、祐也が学校に行ってる間はずっと、祐也の帰りを待つようにそのベッドから動かなかった。
「……ごめん」
「っ…いや、ごめんじゃ済まないでしょ、まず説明してよ」
「、祐也は…今の俺達のこと、嫌いやねんて」
そう言って、自嘲するように薄く笑った亮ちゃんに、カッとした────
「…っていうのが、事の経緯」
ランドセルを置いて手洗いうがいも済ませた慶一郎とシゲに、俺から事情を話す。
亮ちゃんはずっと険しい顔をしているけれど、それが怒りじゃなく考え事をしているからだっていうのは、もう長年の付き合いの中で分かり切っている事だった。
俺達が言い合いをしたって、現状は変わらないのだから。
「あの…俺、祐とタカの入所した頃とか全然知らないんだけど…」
「共依存や、一言で言えばな」
慶一郎の探るような声に答えたのは亮ちゃんだ。
カランと氷の溶ける音を立てて麦茶を飲み干すその横顔は、やっぱり眉間にシワがよっている。
…懐かしいなぁ。
祐也が初めて亮ちゃんを見た時は、この顔に酷く怯えて、なかなか打ち解けなかったなぁ。
「共依存…？ってどういうこと？」
「お互いがお互いに依存することだよ。祐はタカがいないと何も出来ないし、タカも同じだったってこと」
シゲが説明すると、慶一郎はふむ、と納得したようだった。シゲは昔も今も、やはり随分大人びている。
「でも俺が入所した時、タカも祐も、問題になるくらい共依存してなかったよ？」
そりゃ特別仲良くはあったけど…と慶一郎は付け加える。
「うん…でもそれはね、シゲのおかげなんだよ」
「俺だけじゃないよ」
…間髪入れずに否定するシゲは、本当に優しい子だ。
祐とタカの共依存の解消については、シゲが一番のお手柄だったというのに。
「シゲのおかげって…どういうこと？」
「…ぴぃ、入所した後のことは話してもええんちゃうか」
亮ちゃんの言葉に、頷いて返す。
シゲは目を伏せて、当時を思い返すような仕草をした。
「…あれは、貴久が入所してすぐの頃だった」
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まお(プロフ) - いつまでも更新を待っております…！！大好きです！ (2020年6月6日 23時) (
レス) id: 2be1c136eb (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ぽっか(プロフ) - 初めまして！このお話本当に大好きです！テゴマスの話の続きがとても読みたいです。もう更新ありませんか？ (2020年5月8日 22時) (レス) id: 449c7f8148 (このIDを非表示/違反報告)
テゴアヤ(プロフ) - ゆうとたかのお話の続きが楽しみです。今の状態はちょっと胸がチクチク悲しくなります。また4人とやまぴーりょうちゃんの笑顔が戻る日を楽しみにしています (2020年1月12日 12時) (レス) id: 8bc0735841 (このIDを非表示/違反報告)
テゴアヤ(プロフ) - このお話が本当に好きです！大変かもしれませんが、更新を楽しみにしています！！ (2020年1月12日 12時) (レス) id: 8bc0735841 (このIDを非表示/違反報告)
eRu(プロフ) - 初めてコメントさせて頂きます。今日の朝このお話を見つけて、全部一気に読んでしまいました！とても、とても、いいお話です…！これからも楽しみにしてます！スランプ脱出、頑張ってくださいね！ (2019年9月29日 16時) (レス) id: 2d1d6afcf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かえで | 作成日時：2018年7月22日 13時
