チェックメイト Fuma.K

ep.17 ページ17

｢な、なんでもない！｣



苦し紛れにそう言った私を
目を細めて見てる風磨。





私の好意なんてどうせどうでもいいんでしょ、
ヒメが好きなんだから。


だから私を期待させるような事をしないで欲しい。
諦められなくなるし、何より協力してる身なんだから。




というか、彼は一体私にどうして欲しいのか
未だに理解出来ないところがある。



だって
私と健人が付き合うことを望んでるはず。
それなのに、カフェのオーナーさんを薦めてみたり


訳わかんない。









？｢風磨、相手して欲しいって｣




ストローを咥えてぼーっとしていると
そこにはオーナーさんがいた。



顎であっち、と示した彼。
その方向を一瞥して




風｢やってくっか。こいつ頼んだ｣




取り残された私とオーナーさん。



オ｢どうも、オーナーの安井です。よろしく、Aちゃん｣


｢ど…どうも｣



一応ここには何度かお邪魔してるから初対面ではないけど、初めて話した。



なんか独特の雰囲気があって話しかけづらかったんだよね。

スーツがバッチリ決まってて、テキパキと作業している姿が印象的。



でも今、目の前にいる安井さんは親しみ深い空気を纏った人で
話しかけるのを躊躇った自分に少し後悔。



なんていうか
愛嬌、とかそういう言葉が似合う気がする。





…


思えば
風磨と出会ってから沢山の人と知り合えていて

言葉にしたら単純になってしまうんだけど
風磨ってやっぱり凄い、と感じた。

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