チェックメイト Fuma.K

ep.14 ページ14

風｢ええってなんだよええって｣




どうやらツボに入ったらしい。



風｢もっと可愛い反応してほしかったんだけど？｣





菊池さんもこんないたずらな顔するんだ。
少し驚きながらも



どうせ私には可愛い反応なんて出来ませんよ。




皮肉を込めて目の前の人を睨む。
そんな私の目線を気にも止めずに





風｢いや店の前通ったらお前見えたからさ｣




なんて言うこの人。



無意識なのか知らないけど
お願いだからさらっとドキっとさせるようなこと言わないで欲しい。





…待って。


｢ヒメはどうしたんですか？｣



風｢ああ…送ってったよ、ってお前なんで敬語なんだよ｣



｢特に理由はないですけど｣





風｢俺ら同い年じゃなかった？｣






そうなんだけども。
ほら、恐れ多いというかなんというか。



しかも仮にも私の好きな人だし。
緊張してるんです、とは言えず(散々心の中で憎まれ口を叩いてるけど)



｢わかった。タメ口にするから、菊池って呼んでいい？｣




風｢なんでそうなる？風磨って呼べよ。なんかムカつく｣






心底嫌そうな顔をしてる彼と
少し距離が縮んだ気がして


胸が弾んだ。





少し前まで考え込んでいた3人の関係は
私が首を突っ込むような事ではないと思うし




…というかもう任務完了してるし
何もしてないけど。





そうなると
私と風磨、もう一緒にいる意味がないよね。






でも鈍感な風磨が気づくまで

せめて【キング】が【クイーン】を奪う時まで



こうやって普通に話していたい。




【ポーン】は【キング】のために動かなきゃいけない？




それは当たり前。



それでも
私は自分の好きな人の恋の手助けができる程
いい子ちゃんにはなれなさそう。

ep.15→←ep.13

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す