チェックメイト Fuma.K

ep.2 ページ2

そんな衝撃な言葉を放った彼、菊池風磨との出会いは




チェスクラブ



だった。




どうしてチェスを始めたのか、というもっともな疑問。
それは未だに自分でも解決できていない。




ただ

チェス というかっこいい響きに惹かれて


ルールを調べて、即刻クラブに入ったことは覚えている。




昔から頭を使うゲームというものが苦手な私には
なかなか難しいもので



ましてや
先の手を読む、なんてことは出来っこない。






それでも
シンプルであり、かつ奥の深いゲームという所に魅了されて
飲み込まれるようにハマっていった。





初心者である私は
周りの人達に教えてもらいながらやっていた。





そんな時


？｢こっちの方がいいんじゃねーの｣




耳元で囁きながら
私の手の上から駒を握って動かす
初対面の男の人。




歳は私とそう変わらないと思われる。


長めの前髪が目にかかっていて
隙間から覗く瞳は、吸い込まれるように綺麗。






背は高くて

私の手に触れている指は細くて…って


何この人！？




少なからずドキッとしてしまった訳で
硬直する私。




声を出そうとしても全く出なくて


気が付いた時には、彼は既にいなかった。









そして
彼に教えて貰ったおかげで戦況は一転して



初勝利を収めることができた。







嬉しかったけれど
私の心はそれどころではなかった。

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