20-1.不良と優等生 ページ4
.
下っ端供を連れた周回を終え、そろそろ解散しようとしたところで、向かいから歩いてくるAの姿が見えた。
俺の姿を見つけ、少し小走りで駆け寄ってくるAがたまらなく可愛い。
『猛くん…!』
「A、今帰りか?」
『うん』
「遅ぇんじゃねぇの?なにしてたんだよ?」
『今日はピアノのレッスンがあって…』
「遅くなる日は言えよ。迎えに行くから」
Aが嬉しそうに『ありがとう』なんて笑うから、つられて頬が緩みそうになる。
『猛くんはなにしてたの?』
「あー…」
周回ついでにAの行動範囲内でツッパってる野郎を、型にハメて回ってはきた…なんて、どう説明すりゃあいいんだ?
開久でNo.2の俺の女って理由で今後狙われるかもしれねぇとか、言ったところで無駄に怖がらせるだけだろ。
「ぶらぶらしてただけだから、連れてっていいぞ」
『片桐くん…!連れてくなんてそんな…』
「もう遅いし、相良に送ってもらえ。彼氏なんだろ?」
ニヤリと口角を上げながら、智司がAをからかうように言う。
まだ慣れないのか、いつまで経っても初々しく赤くなるAは、見てて飽きないし、加虐心をそそられるのもわからなくはない。
智司の奴、人の女で遊んでんじゃねぇーよ
そりゃ俺の特権だろーが
『猛くん、あの…一緒に、帰りませんか…?』
「っ…ああ」
俺の袖を掴んで俯きがちに聞いてくるAに、俺を含めたその場の全員が釘付けになる。
下っ端供に「お前ら、俺の女に妙な真似しやがったらタダじゃおかねぇからな」って念押しして、Aの腰を引き寄せた。
.
613人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
未亜(プロフ) - 青葉さん» 青葉さん、コメントありがとうございます!誤字訂正させていただきました! (2019年8月12日 6時) (レス) id: 6167177232 (このIDを非表示/違反報告)
青葉 - 物語読んでいて気が付いたのですが...。 29-5.のここの台詞 『私と話がしたいんだよね。逃げようとしてごめんなさい。別れ話でもちゃんと聞くから、美咲さんに怒らないで』 これ正しくは美咲さんをではないんでしょうか? (2019年8月10日 1時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
青葉 - 物語読んでいて気が付いたのですが...。 29-1.嫉妬しましたのここの部分 きっとチョコレートの食べ過ぎて胸焼けしてるのね 味見はしばらく控えるようにしないと… これ正しくはチョコレートの食べ過ぎで もしくはチョコレートを食べ過ぎてではないんでしょうか? (2019年8月10日 1時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
青葉 - 何度も続けてのコメントですみません...。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 同じく28.会えない日々のここの台詞 「…私、猛の彼女の見てみたいんだけど!」 これ正しくは猛の彼女のことではないんでしょうか? (2019年8月10日 1時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
青葉 - またまた続けてのコメントですみません...。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 28.会えない日々のここの部分 ※美咲さん、今回の話でお名前被ってしまってすみません。 これってどういう意味なんでしょうか? (2019年8月10日 1時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:未亜 | 作成日時:2019年3月2日 19時