14-3. ページ30
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「三橋、伊藤、今回の件は俺らに譲れ」
「は?」
「東京もんに開久ここまでコケにされて、そのまま東京に帰すわけにはいかねぇ」
「うるせぇ。俺らにも譲れねぇ理由があんだよ」
軟高の生徒と今井がやられたとかで、一向に引こうとしない三橋と伊藤だったが、俺が喧嘩吹っかけたら、三橋の野郎はあっさり譲りやがった。
智司もよぉ、こんな奴らに一々言って聞かせなくても、全部まとめてやっちまえばいいじゃねーか
こいつらだって、これまで散々開久コケにしてきたんだからよぉ
「てめぇら、絶対手ぇ出すんじゃねぇぞ」
「よろしくお願いしますっ…!」
「行くぞ」
「智司」
下っ端どもを連れて歩き出した智司を呼び止める。
「なんだ?」
「先行っててくんね?後から追いつくからよ」
「…ああ、わかった」
何かしら勘付いてるのか、智司からそれ以上の追求はなく、下っ端どもと消えていく智司の背中を見送って、俺はAの手から荷物を奪った。
「帰んぞ」
「待てよ。Aのこと送るのまで譲るなんて言ってねーぞ」
「あ?…Aは俺と三橋、どっちがいいよ?」
『みんなで帰るっていうのは…』
「「絶対ぇ無し!!」」
こんな時だけ意見の合う三橋とAに詰め寄ると、Aが遠慮がちに俺の制服の裾を掴む。
隣の三橋がまるでこの世の終わりみてぇな顔で、俺とAを見ているのが最高の気分だった。
ザマァねぇなぁ
これが俺とお前の差ってやつよ
三橋の様子に『相良くんとは家が近いから』なんて弁明していたAだが、そんなことはどうでもよくて…
俺を選んだってことは事実なわけで…
呆然とする三橋とそれを慰める伊藤に見せつけるように、Aの腕を引いて歩き出した。
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未亜(プロフ) - 青葉さん» 青葉さん、コメントありがとうございます!沢山のご指摘ありがとうございます。自分の中でもおかしいなと思った点については直させていただきました! (2019年8月12日 6時) (レス) id: 6167177232 (このIDを非表示/違反報告)
青葉 - 物語一気に読んじゃいました。 沢山の直しを言ってしまいすみませんでした...。 (2019年8月9日 1時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
青葉 - 何度も続けてのコメントですみません...。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 16-2.のここの台詞 『…でも、相良くんは他にはいないです』 これ正しくは相良くんの他にはではないんでしょうか? (2019年8月9日 0時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
青葉 - またまた続けてのコメントですみません。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 13-2のここの部分 突然の告白に後ずって壁に頭を打った私を、紅野くんが「大丈夫?」って心配そうに頭を撫でる。 これ正しくは後ずさってではないんでしょうか? (2019年8月9日 0時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
青葉 - また続けてのコメントですみません...。 これ正しくは誤魔化すために買ってきたではないんでしょうか? (2019年8月9日 0時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:未亜 | 作成日時:2019年1月6日 9時