11.好き ページ21
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(相良side)
「おい、てめぇ確か女いたよな?」
溜まり場で暇そうに話し込んでる野郎に声をかけると、俺が女の話題をするのが珍しいからか少し驚いたように一瞬フリーズする。
「はい。いますけど」
「どういうとこ行くわけ?」
「えっ」
「だから、てめぇの女とどこに行くのかって聞いてんだろ?さっさと答えろや!」
そう言って、一発蹴りを入れるとすぐに謝罪の言葉が出る。
情けねぇ野郎だぜ
謝るくらいなら、さっさと答えろよな
「えっと…喫茶店とか、映画とかですかね。あ、こないだはディズニーランドにも行きましたよ」
付き合ってもねぇのに、ディズニーランドは難易度高すぎんな
Aは…まぁ似合いそうだけどよ
どうすっかなー…
そんなふうに数人を締めながら聞き出し、いつもの定位置に戻ると、智司が声をかけてくる。
「やっぱり女できたんじゃねぇか」
「できてねぇよ」
「でも、女と出かけんだろ?」
「ああ」
「珍しいな。どんな女なんだ?」
「…マブい」
「顔かよ」
「まぁそれもあるけどよぉ…スレてねぇっていうか、今までとは真逆の女」
初めはマブいから、ちょっと遊んでやろうかなくらいの軽い気持ちだった。
だけど、Aがこれまでの女と違うのは少し話せばわかったし、俺なんかが関わる女じゃないこともわかっていた。
それでも、触れたくて、近づきたくて…
触れる度に壊してしまいそうで、壊したくて…
Aと一緒に居ると本能と理性が混ざって、訳わかんなくなる。
「そんないい女なら、ほっとくと他の男にとられんぞ」
『んなことさせるかよ』
女なんてどうでもいいと思ってた。
でも、初めてこの女だけは欲しいって…
俺だけのものにしたいって…ああ、そうか。
俺、Aのこと…
「智司…俺、アイツのことすっげぇ好きだわ」
自覚すれば、今までもやもやしていたのが嘘みたいに晴れていく気がした。
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未亜(プロフ) - 青葉さん» 青葉さん、コメントありがとうございます!沢山のご指摘ありがとうございます。自分の中でもおかしいなと思った点については直させていただきました! (2019年8月12日 6時) (レス) id: 6167177232 (このIDを非表示/違反報告)
青葉 - 物語一気に読んじゃいました。 沢山の直しを言ってしまいすみませんでした...。 (2019年8月9日 1時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
青葉 - 何度も続けてのコメントですみません...。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 16-2.のここの台詞 『…でも、相良くんは他にはいないです』 これ正しくは相良くんの他にはではないんでしょうか? (2019年8月9日 0時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
青葉 - またまた続けてのコメントですみません。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 13-2のここの部分 突然の告白に後ずって壁に頭を打った私を、紅野くんが「大丈夫?」って心配そうに頭を撫でる。 これ正しくは後ずさってではないんでしょうか? (2019年8月9日 0時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
青葉 - また続けてのコメントですみません...。 これ正しくは誤魔化すために買ってきたではないんでしょうか? (2019年8月9日 0時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:未亜 | 作成日時:2019年1月6日 9時